フォーラム「伝燈と志命」
第4回 地方創生経営者フォーラム・千葉

1914年（大正3年）、川合金五郎が小間紙を扱う商いを東京都台東区にて創業。
終戦後2代目が印刷業へ移行。当時、あまり注目されていなかった医薬品パッケージ印刷に特化。
製薬業界の成長と共に安定した経営を重ねる中、製薬会社の大型合併が相次ぎ、ジェネリック医薬品・海外の製薬会社の台頭など、業界の大きな変動が続いた。企画から製函まで自社で一貫生産体制を構築し、顧客の声をもとに独自製品の企画開発の提案を続ける中、顧客の信頼を獲得し業績を維持。
2018年”はばたく中小企業・小規模事業者300社”にも選出。「誇りある仕事を通じ、弛まぬ努力と誠実をもって企業と社会の発展に貢献する」を経営理念とし、次の100年へ歩み続けている。
※3代目（夫）の死去により、専業主婦の妻・川合榮子が社長に就任伝統。ある会社では常識と思われていたことも、経験・知識ゼロの立場から見ればあり得ないことも多く、新社屋の設立、新機械の導入、リスク管理、お客さまへの提案手法、知的財産への意識、一貫生産工場の新設、女性が働きやすい職場環境と次々実行。
現在は事業承継にも着手し、後継者の育成へと導く。

1849年(嘉永2年)、初代・山本德治郎氏が日本橋室町にて創業。
明治天皇の京都還幸の際、御所方への東都土産のために「味附海苔」を開発（世界初）。宮内省御用達を賜り、醤油で味付けをした「味附海苔」の元祖が山本海苔店。創業時から使わる“まるうめマーク”は品質の証であり、梅が咲く寒中に美味しい海苔が採れること、梅も海苔も共に香りがよいことを重ね合わせた印である。現在では人材育成、国内外での販売網拡大に尽力し六大都市を中心に180余店展開し、「よりおいしい海苔を、より多くのお客様に楽しんでいただく」ことをモットーに、おつまみ海苔・一藻百味・コラボ企画の開発を始め、伝統は革新の連続であるが如く、常に時代に即した商いを行うことで、まるうめブランドの強化と海苔の新たな可能性を追求し続けている。
※入社後、仕入部で海苔全般の勉強を行い、山本海苔店１００％子会社・丸梅商貿（上海）に勤務し、おむすび屋「Omusubi Maruume」を立ち上げる。
その後、シンガポール髙島屋、台北三越店と海外店舗立上げに参画。現在、専務取締役営業本部長として営業全般を担い、「おいしい海苔」の普及に務める。

1899年(明治32年)、創業者の諸岡長蔵は千葉県成田山新勝寺門前で米殻・雑貨を営む米屋の長男として生まれ、母親なつと “日本初の栗羊羹”を生み出した。その後鉄道開通によって急増する参拝客に支持され、成田とともに成長していった。
創業の信条である「己に薄く、他に厚く」は脈々と受け継がれ、中間的な手数料や金利、その他一切の冗費を省き、あくまで顧客本位の商法で薄利多売、品質本位の菓子作りを行う。「売るのではなく、買っていただく」という商いの精神は、お客様の信頼を得て、今日まで成田山参道の名物として多くの人々に愛されている。現在、日本食文化の一端を担う和菓子の魅力を発信するとともに、羊羹を「ＹＯＫＡＮ」ブランドとして世界にＰＲする活動を事務局として担うなど、味の創造の延長線上に文化の伝承を見据え、今日も絶えず挑戦と革新を続けている。
※2015年に事業承継。社長就任直後に父（先々代社長・３代目）が急逝し、暗中模索しながら経営に邁進。その中、新商品の開発、業界での海外展開、地域との取り組み、そして地域や業界での活動を通しての人材育成、一つひとつの積み重ねを通して、地域の更なる発展へと導く。