長寿企業の知恵を、
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東京温灸院 ~世界にたった一つの温灸院~

オープニング・創業の精神 ~家訓や理念誕生の経緯~

今回のゲストは、東京温灸院 4代目代表 小宮由希子(こみやゆきこ)
1914年創業、曾祖父福岡利三が発明した温灸物理療法は、如何に健康を保ち続けるか、病気になる前に病気になりにくい体を作る、という想いと共に、歴史と信頼を積み上げてきた。
その結果、海外からも注目を集め、唯一無二の秘薬・知恵を伝承し続け、現在も、多くの人の健康作りの手助けをしているのだ。
今回は、そんな東京温灸院の4代目 小宮由希子の言葉から、創業者の想い、語り継がれてきた先代達の決断と苦悩、歴史の中に隠された物語、
東京温灸院の持つ長寿企業の知恵に迫る!

石田:今回のゲストは、東京温灸院 代表取締役社長 小宮由希子さんです。よろしくお願い致します。

一同:よろしくお願い致します。

朝岡:温灸院…

小宮:はい。

朝岡:“灸”はお灸の“灸”ですよね?

小宮:そうですね。

朝岡:これ、温灸院っていうのは、病院のような施設をおやりになってるんですか?

小宮:治療院になりますかね。

朝岡:治療院をおやりになってる。あぁそうですか!事業の内容っていうのはその…

小宮:(卓上に置いてある)この機械を使っての治療になります。

朝岡:おぉ−!

石田:今は何代目でいらっしゃいますか?

小宮:私で4代目になります。

朝岡:4代目。へぇー!
この温灸院というのは、私あんまり聞かない気がするんですけれども

小宮:そうですね。世界では、多分ここだけだと思うので、

朝岡:ほぉー!

小宮:なかなかやっぱり知られてないところがあります。

朝岡:知られてない!っていうのが強みですよね。特徴っていうか。

小宮:もっと知って頂きたいんですけども(笑)

一同:笑

朝岡:はぁはぁはぁ!

小宮:なかなか…。

石田:ねぇ。実はですね、私、体験させて頂いたんです。温灸というものを。

朝岡:おぉ!はい。

石田:いや、もうびっくりしました!もっと熱いのかと思っていたんですけれど、あんな気持ちがいいですね。

小宮:そうですね。ぽかぽかして。はい。

石田:そう!じんわりぽかぽかしてくる感じで。もうつい、うとうとしてしまうような。

小宮:はい、そうですね。

石田:ねぇ。

朝岡:そうなんだ。へぇー。だから、熱灸院じゃなくて温灸院。

石田:温灸院。あたたかいんです。

小宮:温灸院です。心地良いですね。

朝岡:心地良い。

石田:そのおへその上にこちら(卓上にある機械)を置いてくださったんですけれども、改めてこちらを説明頂けますか?

小宮:はい。これは一応おへその上に布を置きまして、その上にこの薬室っていうのがありますね。

朝岡:あっ、ここにちゃんとおへその穴みたいなのが!(真ん中に穴の空いた布を見せて)ここにちょうどおへそがくるように?

小宮:そうですね。真ん中にくるように、はい。

朝岡:ここにね!はい。

小宮:そして、この薬室って中に赤い…これが秘伝薬なんですけれども、

石田:あぁー!気になりますね、その秘伝薬。

朝岡:え、これを?

小宮:これをこの中に詰めるんですね。

石田:えぇえぇ。

朝岡:あ、これね。(手に取る)ほんと疑り深い性格ですみません。

一同:笑

朝岡:裏見るとね、こういう風にこうちょっとね…

小宮:ガーゼで。

朝岡:布が、通気性のある布みたいなのが敷いてあって、

小宮:そうですね。

朝岡:ここ、こっからこの赤い秘薬が

小宮:温めることによって、こう浸透していく。

朝岡:このおへその穴から。

小宮:はい。

朝岡:じわっと。

小宮:そうです。

石田:あっ、今ちょうどこちら(モニター)に出されていますけれども、

朝岡:えっ、これ石田さん?

石田:そうです!うふふふふふ(笑)

朝岡:あら、なんかさ…ちょっとあの…(笑)

石田:あはははは(笑)

朝岡:あの黄色いセルロードみたいなのは、あの焼肉屋さんに行くと

小宮:そうですね(笑)

朝岡:煙が飛ばないようにああやってこう伸び縮みするやつありますよね?

小宮:そうです!まさにそれです!

石田:それで、結構煙が出てるんですよね?

小宮:そうです!これだけのもぐさを

朝岡:もぐさ多いですよね!

小宮:5つ燃やすので、

朝岡:5つ燃やすんですか?!

小宮:えぇ。で、1時間かかります。

石田:あぁー!でもね、あのね、私あの、ちょっとこう香りを感じたんですけれども、でもその時、煙たいような煙じゃなくて、

小宮:あぁ、そうですね!

石田:なんていうかリラクゼイションのような、ハーブのような、いい香りがしましたよ。

小宮:そうですね。畳の藺草の匂いに近いかと…

朝岡:あっ、じゃあこう気持ちもなんか和らぐというか

石田:そうです。和らぐようなリラックス…

朝岡:リラックスできる、そういうこともあるんですね。

小宮:はい!

朝岡:へぇー!でも、しかし、このもぐさっていうのは、だいたい普通のお灸する時にその点点点みたいになってる…

小宮:ありますね。

朝岡:その先端が赤くなっちゃって、あちちちち!ってなってるじゃないですか!

小宮:はいそうです(笑)

朝岡:そのもぐさがこんなにいっぱいあって!?

小宮:あれは、すごく極上のもぐさで、あのこれはそれをもっと粗くした

朝岡:そうなんだ

小宮:はい。

朝岡:で、この熱でその秘薬がおへその中から浸透して、同時にその…なんていうか…

小宮:血流がとても

朝岡:血流が良くなって、まぁリラックスできるということもあって。あぁ、そうですか。あぁーなるほどねー!ほぉーほぅほぅほぅほぅ。

石田:でも、実は、私はじわじわとこうあつくなる感じだったんですけど、他にはあちっ!て、すぐあつくなる方もいらっしゃったり?

小宮:そうですね。あとは、同じ方でもその時の体調によって、あつくなる時と全くあつくならない時とありますね。だから、その時の自分の体調をなんかこう把握できるような。

朝岡:あぁ、そっか。

小宮:あつくない時は、こう疲れたり睡眠不足だったりなのかなみたいな。

朝岡:そうですか。

小宮:ある程度。

朝岡:えっ、小宮さん自身も時々やってるんですかこれは。

小宮:そうです。今、週2回ほどはやってます。

朝岡:自ら?

小宮:はい(笑)

朝岡:自らねー(再び機械を触り出す)

石田:でも、いや、実はお伺いしたんですけど、小宮さん普段はファンデーションを塗らないそうなんですね。

小宮:そうなんです!

朝岡:今も?!

小宮:いや、今日はメイクさんがついて頂いて

朝岡:今はちょっとね。でも、お肌とても何かこうつやつやなさって滑らかで!

小宮:やっぱりこう胃腸の環境を良くすると、肌にも良くなる気はしますね。

朝岡:はぁーそれは実感としてね、お感じになってるんだ。

小宮:実感として。はい。

朝岡:今なんかあの小宮さんの白衣姿っていうかね…(モニターに映っている)

小宮:はははは(笑)あ、あれファンデーション塗ってないときです!(笑)

朝岡:あれ塗ってない、これ(モニター)塗ってない時ですね。塗ってる時は、今こっちの方が塗ってる。

小宮:もう全て隠されてる。

朝岡:いやいや、でもあんまり差はないですよね!

石田:えぇ、変わらないです。

小宮:いや、さっきお手洗いでびっくりしました!

朝岡:え?

小宮:もう全然こう…ないですね。シミから何から(笑)

石田:ぃえええええええ(笑)

小宮:ファンデーションに感激しました!

朝岡:あぁー。いやいやいやいや。

石田:そんなことないです。でも、ほんとに!昨日もほんとにびっくりしたんです。それだけやっぱりインナービューティーというか…

小宮:そうですね、内側から。

朝岡:内側から!

石田:内側から綺麗になる

小宮:で、副作用とかもないです。

朝岡:副作用もない。そこはまた安心ですけど。
この、なんですか、秘薬というのは、これは…

小宮:もう大正3年から全く変わってない…

朝岡:大正3年ですよね!大正3年から創業時から変わってない秘薬

小宮:全くこの機械も変わってない

朝岡:あっ、この機械も!このね、ここにこのほら分かります?

石田:えぇ、あっ、右から…

朝岡:書いてあるんだけど、これがね、いかにも大正3年っぽいって言っちゃなんですがね(笑)

小宮:すみません(笑)

朝岡:東京駅が出来たのが、確か大正3年ですからね、煉瓦造りの。

小宮:じゃあ、同じ時です。

朝岡:あら、この大正時代を感じさせる、全くその何かね…

小宮:手を加えていないですね。

朝岡:手を加えていないですもんね。
この秘薬をもともとお作りになったのは?

小宮:4代前の福岡利三になります。

石田:と、仰いますと?

小宮:はい。私の曾祖父。

朝岡:曾おじいちゃま?

小宮:はい。

朝岡:曾おじいちゃまが創業者?

小宮:そうですね。

朝岡:はぁー!で、そもそもこの秘薬を使っての温灸院をおつくりになったきっかけというか、動機というのはどのようなものなんですか?

小宮:はい。1代目の利三は産婦人科医でした。で、不妊の方がその当時多いんですけど、今みたいにクリニックとかそういうのもないですし、で、そういう方を、来院される方を診て、胃下垂の方が多いかなっていうのに着目しまして。

朝岡:胃が下がっちゃってるから?えぇえぇえぇえぇ。

小宮:で、子宮とか腸とかを圧迫して、そのこう子どもを妊娠する環境がちょっとあれなのかなっていうことで、どうしたら胃を持ち上げられるだろうっていうことで、色々考えたのがこの機械だった

朝岡:お腹をあっためたらいいんじゃないかと。秘薬と共にね。

小宮:はい。そしたら、案外男の人でも胃下垂の人が多かったので、女の人だけじゃなくて、男女問わず。

朝岡:効果が見えてきたということで。

小宮:期待できるような治療なのかなということで。

朝岡:初代の曾おじいちゃまは、産婦人科医と仰っていましたが、当然、その当時の博士号をお持ちでいらっしゃったと伺っていますが。

小宮:はい。その当時なので、ほんとに古い古い証書だったんですけど。

石田:えぇえぇ。

朝岡:そうですか。末は博士か大臣かっていう方ですからね!

小宮:いえいえいえ(笑)

石田:まぁそうやって、その不妊に悩む方ですとか、色んな方が通われると思うんですけども、特にこう印象深いお客様、どういう方がいらっしゃいました?

小宮:いや、やはりその当時、40kgないぐらいの方が男の方でも多かったんですけど、

朝岡:体重がね。

小宮:はい。やっぱり昭和初期とかですからね。その方たちがやっぱりこの温灸によって、もう15kg・20kgしっかりとこうバランス良くって言うんですか、身体がつくれていくような方が多くなったので。

朝岡:ふーん。それは今もそういう体重がちゃんと増えていく方とか?

小宮:今もそうですね。健康維持の方もいらっしゃるので、健康維持したい方は、そんな食事食べないように。太りたい方は、温灸したあとしっかり食事の量をとるように。

朝岡:食べて?

小宮:はい。

朝岡:あぁ、そうですか。

ここからは、各テーマを元に、東京温灸院の4代目 小宮由希子の言葉から、長寿の知恵に迫る…。
最初のテーマは、「創業の精神」
創業から現在に至るまでの経緯、先代達から受け継がれてきた想いに迫る!

石田:それでは、東京温灸院さんの家訓や理念を伺えますでしょうか?

小宮:はい。特に家訓とかそういうのはないんですけれども、常に患者さんの立場になり、悩みなりを聞いて、やはりそれに対応できるようにっていうことは常々言われてました。

朝岡:今、社員というのは何人くらいいらっしゃるんですか?

小宮:今は7人です。

朝岡:あっ、7人。そしたら、もうほとんどなんか家族と言ってもいいぐらいのね!規模というか。

小宮:そうですね。皆さんもう長いので。

朝岡:うん。そのへんは、じゃあその理念、今仰ったようなことというのは、普段から直接こう浸透させていらっしゃるということですね。

小宮:そうですね。はい。

朝岡:あぁー、でも、これ100年を超える歴史をお持ちだと、創業時と今と、或いはその第二次世界大戦の直後とかね、色々社会の情勢によって、お客様の数なんかも変わってきたんじゃないですか?

小宮:そうですね。やはり、いい時悪い時ありまして、35年くらい前ですか、やはりこのもぐさの…煙の量がすごいので、やはりその今煙突をつけたんですけれど、35年より前は煙突がなかったので、

朝岡:あのさっきのおへその上の焼肉屋さんの煙集める傘…機械みたいなの、あれなかったの?

小宮:あれなくて、で、60人くらいが一斉につけちゃうと目も痛くなるし、髪の毛・洋服にも匂いが…

朝岡:もぐさのね。

小宮:えぇ。で、帰りの電車で白い目で嫌がられて、もう来れないみたいな話が多かったんで、それで、あの煙突を作って、それぞれそのベッドの上に。で、外に出すように。そしたらやはり、戻ってきてくださる方が。

石田:その煙突っていうのは、画期的な発明だったんじゃないですか?

小宮:そうですね。もう必死だったと思います。みんな匂いが嫌だっていうけど、匂いは抑えられないので、どうしたらこれをっていうんで、その当時焼肉屋さんにもこういうのなかったんですけど、一生懸命考えて、

朝岡:極力ね、こう集中させてね。

小宮:上げたり下ろしたりするようにして。で、手作業で。その当時は作っていたと。

朝岡:そうですか。あと、以前は、当時昭和の始めなんかだと、男性で体重を増やしたいというお客様がいらっしゃったというお話でしたけど、お客様の層というのは、どんなような方がいらっしゃってるのか、変化はありましたか?

小宮:やはり昔は20歳前後の方が多かったですね。やっぱり1日働けないぐらい体力のない男の方が結構いらして、で、あとはやっぱり不妊で悩んでる女性ですね。
で、今は健康維持をメインにしてる患者さんが多いですね。

朝岡:あぁー、治療そのものというよりも、健康維持を。

小宮:病気を未然に防ぐ

朝岡:あっ、予防を兼ねて!

小宮:予防を兼ねて、普段から手入れしてる、腸の調子を良くしたいっていう考えの方が多くなってきました。

朝岡:お腹はね、冷やしちゃいけないよって子どもの頃からよく言われるけど、

石田:言われました。

朝岡:こうやってあっためると如実にね、変化って、良い方に変化することってあるんでしょうね。

小宮:そうですねー。

石田:そして、その中でも、その秘薬というのが、やはり・・・

朝岡:ここですよねー!

石田:ポイントのようですよね!

小宮:この赤いのです。

朝岡:この秘薬!

石田:こちらの作り方っていうのは、ちなみに・・・

小宮:これは、もうあの・・・ラーメン屋さんの秘伝のタレと一緒で・・・

石田:えぇ。

小宮:これはもうちょっと・・・受け継がれてきたものなので・・・

石田:はい。

小宮:・・・はい。

石田:その作り方は、どなたが知ってらっしゃるんですか?

小宮:私がやってます。

石田:あっ、そうですか。

朝岡:その代々の社長だけしか知らない

小宮:だけしか知らない!

朝岡:所謂、門外不悉という形で。

小宮:そうです!

石田:へぇー!あっ、じゃあもう「次はあなたです」って言われた時に、それを教わる感じですか?

小宮:それを渡す感じです。

朝岡:そういう話聞くと何かほんとに秘薬っていうか何か…(秘薬の匂いを嗅ぐ)これ自体はあんまり香りはないんですね?

小宮:香りはこのもぐさしかないですね。

朝岡:はぁー。この秘薬のねー。そうですかー。なるほどねー。
温灸院の家…温灸っていうのはしかし、やっぱりこれはお家じゃなかなか…お灸はね、お家でやってもらうっていう伝統がありましたけど。これは家では、例えばこれだけ持って行って、この布も買って、これ自分のベッドで、畳とかお布団の上でこうやったりするってことは難しいんですか、やっぱり。

小宮:家だと、もうすごい煙で。

朝岡:あっ、やっぱりね!

小宮:隣近所から、多分苦情がすごいと思います!

朝岡:秋刀魚のね、七輪で秋刀魚を焼くと美味しいんだけど、

石田:あははは(笑)

小宮:それどころじゃないですね(笑)

朝岡:あと、くさやなんかを焼くと、文句言われたりするでしょ?最近マンションだったりするとね!

石田:隣にはね、怒られてしまいますよね(笑)

朝岡:あぁ、そうかそうか。そういうことなんですね。でも、そういう何か、いや、個人の家じゃ今難しいです!って言い切れるもんがあるっていうのが、この伝統のなんていうか東京温灸院さんですよ!

小宮:だから、名古屋とか関西の方は、1週間泊まりでいらして、で、1週間治療して

朝岡:通われて?

小宮:はい。っていう方も中にはいらっしゃいます。

朝岡:へぇー、そうですか。はい。

決断 ~ターニングポイント~

「決断・ターニングポイント」
これまでに東京温灸院に訪れた苦境、それらを乗り越えるべく、先代達が行った奇想天外な発明、その裏に隠された物語とは?

石田:これまでの歴史の中で、東京温灸院さんのターニングポイントというのはございましたか?

小宮:いやー、やはり同族会社でしたので、1代目・2代目・3代目。やはり本社ビルがあったんですけれども、それをやっぱり相続でバラバラに売却することになってしまいまして、それで一応自社ビルの一番上の階で、温灸院やってたんですけども、それをやっぱり手放すことになりまして、で、今の四谷のところに引っ越す時が一番大変でした。

朝岡:あぁー、自社ビルを・・・

小宮:売却して。

朝岡:売っちゃって、それで引っ越した。それ、いつのことですか?

小宮:それがもう18年になります。

朝岡:ごく最近ですよね!

小宮:そうです、ごく最近!

朝岡:だいたい、長寿企業のターニングポイントって、太平洋戦争だとか関東大震災だとか色々あるんですけど。

小宮:その頃は、そんなになかったと思います。

朝岡:かえってその、自社ビルを売って、移転する時が?

小宮:一番大変でした。

朝岡:大変だったんだー

小宮:やっぱり、換気扇も移さなきゃならないし、それなりにご近所さんもありますし、やはりそこがまとまるまで・・・

朝岡:あぁ、そう。そうですか。

小宮:はい。大変でした。

朝岡:その頃は、先代だったんですか?

小宮:その時は、先代でした。

朝岡:先代で。

小宮:はい。

朝岡:それ、見てて?

小宮:私は見てなかったんですけど(笑)すみません(笑)

朝岡:あと、このもぐさをこれだけ大量に使うわけですから、供給とかその品質の維持、まぁ秘薬はね勿論作んなきゃいけませんけど。そういったあと、技術的なスタッフとかの養成もどうやってらっしゃるんですか?

小宮:もぐさは、一度中国の方に仕入れていってたんですけど、今中国の方が人件費とか諸々高くて、今はやっぱり日本のもぐさの方が。なので、去年・一昨年くらいから入れ替えました。

石田:もぐさというのも、色々種類があるのか分かりませんけれども、選別こだわってらっしゃるんですか?

小宮:はい。そうですね。やはり、良すぎるもぐさだと温度がなかなか合わないので、やはりこのくらいの粗いもぐさにするのに、何回も工場で精製して頂いて、それで今使ってるのと比べ合わせて、そこから発注するようにしています。

朝岡:もぐさっていうのは・・・もぐさっていう草があるんですか?

小宮:あと、ヨモギですね。

朝岡:ヨモギなんだ!!!(石田さん)知ってた?

石田:あっはははははは(笑)いや、実は私もですね、昨日体験させて頂きながら、「あっ、そういうことですか!」っていう、ちょっと目から鱗だったんですけども(笑)

朝岡:なんだ、昨日知ったのか(笑)

石田:あははは(笑)

朝岡:あっ、でもヨモギね。

石田:ヨモギって・・・

小宮:消炎効果もあるとか言われてますし。

石田:はい。

朝岡:なるほどねー。そうですか。細かいことにもね。
あと、スタッフって、長くいらっしゃる方が多いって仰いましたけど、

小宮:そうですね。

朝岡:毎年毎年、新人を採用するってことはない?

小宮:そうですね−、今はないですね。一番長くて35年ですね。

朝岡:おぉー!ベテランですね!

小宮:ここ10年ちょっとは誰も変わっていない状態なので。やっぱり来てくださる方も、顔を知ってた方が安心感がありますし、

朝岡:そうですよね!

小宮:しょっちゅうしょっちゅう変わるのは、やっぱりちょっと不安がありますので。

朝岡:なるほどね。そういう独特のものもあるわけですね。

石田:さぁ、それではですね、小宮さんご自身のターニングポイントを伺いたいんですけども。

小宮:やはり、3人子どもを育てて、それまで専業主婦だったんですけれども・・・この会社ほんとは弟が継ぐはずだったんですね。それがまぁ医者になったものですから、老人ホームとかもやりまして。で、そちらの方がとても忙しくて、で、私がたまたま鍼灸師の免許を昔取っていたので、で、子どもがある程度大きくなった時に、今から7〜8年前ですか、急にやってくれと父に言われて、で、そこから一度もバイトとか働いたことないんですけれども、急にやることになってしまいまして。はい。

朝岡:ほぉー、でもそれあれでしょ!経験ってものは何事も必要だって言われますけど・・・

小宮:そうなんです!

朝岡:まぁ今いきなり社長っていうのは・・・

小宮:いきなりなってしましまして、で、私自身温灸していたので、来て頂いてる方とは面識があるので、やっぱり全く知らない顔ではないので、その点すごく皆さん受け入れられてもらいました。

朝岡:そうですか。いや、しかし、やっぱり人生ね、

小宮:なにがあるかわからないですね。

朝岡:平凡な…平凡なと言っちゃなんですけれども、お子さまいらっしゃって、主婦業やってて、で、まぁ家業というか東京温灸院は弟がやるだろうと思っていたところが、突然お父さんからやってくれって言われて…ねぇ?へえー。

石田:へぇー。

小宮:びっくりでした。

朝岡:びっくりでしたね。もう落ち着いているんですか今は?

小宮:今は落ち着きました。

朝岡:社長業の方は?

小宮:はい、やっと。

朝岡:色々と?

小宮:色々と。

石田:あはは(笑)

小宮:で、下の階で弟もクリニックやってるんで。

朝岡:あ、開業なさってる。

小宮:だからやっぱりお互い結構話す機会が多いので、

朝岡:なるほどなるほど。

小宮:すごく心の支えになってます。

朝岡:ねー。そうですかー。

石田:今あの、不妊治療が目的でいらっしゃる方も多かったりとかして、やはり女性のお客様も多いので、小宮さんね、やっぱり女性目線で色々お話しになることも?

小宮:そうですね。やっぱり不妊の治療をされている方は、話しやすいとは言って頂いているので、やはり一生懸命話は伺うようにしてます。

石田:既に出産を経験されてますからねぇ。

小宮:そうですね。

朝岡:こういうその所謂西洋医学のね、「はい、お薬!」「はい、症状は?」ってこうパターンが決まってて、「はい、お薬!」とか「はい、手術!」とかそういうのと違って、こう話ながらの中で安心してもらったり、施術なさるというのはとても大事なんでしょうね。

小宮:そうですね。やっぱり心と自律神経って密接に繋がっているかなってところがあるので、やはり治療した後にお話したりとか、することによって、すごく心が打ち解けていくって言いますかね。

朝岡:あぁーそうですねー。

言魂 ~心に刻む言葉と想い~

続いてのテーマは「言魂」心に刻む 言葉と想い。
強い想いと信念が込められた言葉には魂が宿り、人の人生に大きな影響を与える。
小宮由希子が先代や家族から、受け取った言葉の裏に隠された想いに迫る。

石田:続いては言魂ということで、幼い頃、先代やおじいさま・おばあさまから言われた印象的な言葉、そこに隠された想いを伺いたいと思います。

小宮:祖母からなんですが、やはり「苦労を苦労と思わず、常に苦を思え」っていうことと、「自分に常に正直にいなさい」っていうことをしょっちゅう言われていました。

石田:あぁー

朝岡:これはやっぱりおばあちゃまの経験というか・・・

小宮:そうですね!

朝岡:人生から生まれてきた言葉ですかね?

小宮:はい。やはりもう先ほども申しあげましたけど、同族会社だったので、親戚同士の意見交換…かみ合わないところがある時も、やはりかなりストレスで辛い時が多かったみたいで、その度にもう乗り越えて乗り越えて、で、守ってきたっていうのを聞いてますので。

朝岡:どうですかその、おばあちゃまのその言葉ね、小さい頃から聞いてた言葉が自分のその日常の中で、あぁこういうことだなぁって思うようなご経験ってのはやっぱりあったわけですか?

小宮:そうですね。今思えばですけども、やっぱりそういうのを聞いていたので、育児の時も、やはり年子で3人だったので!

朝岡:年子で3人?!

小宮:もう大変だったんですけども、何かあると「あぁ、苦を思っちゃいけない!」とか、もう「常に感謝しなきゃいけない!」とかずっと言われていたので、とにかく頭の中には何かあるとそれがありました。

朝岡:はぁー!ご自身のね、人生の中にもおばあさまの言葉が生きてたってことですよね!

石田:他には何か今、心にある言葉っていうのはありますか?

小宮:そうですね。「常に感謝の気持ちを忘れず、初心を忘れず」ってことです!

朝岡:あぁー!初心をね!やっぱり、初めて温灸した時の・・・

石田:あはははは(笑)

小宮:そうですね(笑)発明した時の先代の気持ち。

朝岡:先代の気持ちとかね。いらっしゃるね、お客様というか患者様というかよくわかりませんが、そういうね。

石田:そういう大切だなぁって思った言葉などを、書留めていらっしゃりとかするんですか?

小宮:そうですね。毎年、手帳あります。それにちょこちょこ書いて、今こんななります!

石田:えぇー!

小宮:とってあります。

朝岡:えっ、そんな!もうメモ魔ですね!

小宮:あはははは(笑)

石田:あはははは(笑)

朝岡:それは!

小宮:一応とってあります。

石田:それを読み返されたりとかもなさるんですか?

小宮:たまに読んだりとかもします。あぁ、この時こうだったなぁとか。

朝岡:へぇー。こうやってお話してるとね、とっても何か素敵な綺麗なマダムでいらっしゃるんですけど、実は…実はっていうか、社長でいらっしゃるわけだから。代表取締役社長。

小宮:責任重大です!

朝岡:リーダーとか人の上に立つポジションを考えたりすると、現実にこういらっしゃる社長さんだとかね、或いは、色んな各界の方々いらっしゃいますけども、あぁこういう方はヒントになるなぁとか、こういう風なところはちょっと見習ってみたいなとか、そういう方はやっぱりいらっしゃいますか?

小宮:最近ですと、やはり、小池百合子さん。

朝岡:あぁ、都知事?!

小宮:政策云々じゃなくって、やっぱりこうブレない強さっていう、女性の強さっていうんですか、やはり自分が決めたことをこう貫いていくっていうのはどの種類の企業にとっても大事だと思うので。

朝岡:あぁーね!そういうところちょっとね!

小宮:惹かれますね。

朝岡:ね!刺激も受けるんでしょうね。

小宮:はい。

伝燈 ~受け継がれる伝統~

受け継がれる伝燈。
創業以来、代々受け継がれている書物や品物・・・。そこに隠された想い、物語とは・・・

石田:続きまして、先代やご家族から代々受け継がれているものというものはございますか?

小宮:これは、もうこの温灸器です!

朝岡:これですよ!!薬と共にね!

小宮:はい。

朝岡:もぐさと共に!

小宮:私も今週2回、自分で温灸してますので、自分ではよくこう分かってるつもりではいるんですけど。

石田:そして、今そちら(机の上に)に出ているものは何でしょうか?

小宮:こちらが、初代の利三が本にした温灸治療の本で、

朝岡:これね(本を手に取って)、やっぱり大正3年ですからね、始まったのが。体質の改造と温灸物理療法!すごいですよ、これ!開けるとこれ、その全部難しいね、福岡利三 米国名誉理医学博士って書いてある!

小宮:はい!

石田:もう昔の漢字でね、全て。

小宮:そうです。

朝岡:これ、すごいですねー

小宮:これが再版で昭和16年に作ったんですけど、その前のはもう焼けちゃってないので…これが再版で一番古いのです。

朝岡:へぇー!やっぱりこれはですね、利三先生のプライドというか自信というか、そういったものが理路整然とこの書かれてるわけです。はぁー!(本を机に戻す)

小宮:はい。ありがとうございます。

石田:ありがとうございます。

朝岡:はい、これを受け継いでいらっしゃる!
でも、あれですよね、今でこそ色んな療法が世の中にいっぱいありますけれども、これがずーっと受け継がれてきてるというのは、これが実際通って受ける方のその気持ちというか身体に合って、やっぱりいいなぁと実感して頂いてるってとこでしょうかね?

小宮:そうですね。まぁ合う方合わない方、もちろんいらっしゃると思うんですけれども、やっぱり長く来てらっしゃる方は、常に調子を保っていられるってことで。今ですと、94歳の女性の方が最高齢なんですけど、一人でもうスタスタ歩いていらっしゃいます。

朝岡:通ってらっしゃる?

小宮:はい。で、昨日いらしたんですけど、もう検査してもどこも悪くなくて、薬も出してもらえないって嘆いてらして(笑)

一同:笑

小宮:健康だからでしょ!って一応言ったんですけどね。

朝岡:もう長いんですか?その温灸受けられてらっしゃる方は?

小宮:その方は、もう65年・・・7年8年くらいです。

朝岡:えっ?!65年くらい続けていらっしゃるの?!すごい!温灸人生だね!

石田:ね!温灸と共に!

朝岡:すごいねー!あ、そうですか、やっぱりね。
あの小宮さんご自身は、必ずやるなんていうかルーティンワークというかそういうものはあったりするんですか?

小宮:祖父がね、起きて玄関出て、東に向かって手を合わせてたんです。で、私近くに住んでてしょっちゅう泊まりに行ってたもんですから、隣で一緒になって手を合わせてたりしてたので、やっぱり朝起きると日に向かって、こう、一日これから始まります、みたいな、そういう何ていうんですかね、残っていますね。

朝岡:ああ、日常の習慣として朝は東に向かって、

小宮:はい、東。丁度玄関でると東なので。

朝岡:ああ、今日一日始まります、お願いします、みたいな。

石田:ふふふふふ(笑)

小宮:はい、もう、お願いします、みたいな。無意識にですけど。

朝岡:そうですかー

石田:小宮さんのご趣味を伺ってもよろしいですか?

小宮:はい、趣味は9年くらい前に始めたゴルフです。

朝岡:ゴルフですか、なんかこの小麦色って言う、肌が、ただもんじゃないなと思いましたが、やはり。

小宮:あの、ほんの少し、はい。

石田:ほんの少し、と仰いますけど、どのぐらいの頻度で?

小宮:本当に、ちょっと、玉転がすくらい、やってます。

朝岡:それでこんな小麦色になっちゃうんだから、あれですね、

小宮:吸収がいいんですね、きっと。

朝岡:吸収ね、そうですよね〜。
でもゴルフっていうスポーツは、特にいろんな方とのコミュニケーションにも良いと言いますが、どんな風に活かしてらっしゃいます?

小宮:そうですね、患者さんの中でゴルフやってる方が多くて、やはり体重がないと飛距離が出ないって言うので、温灸して一生懸命食べて、体重が2,3キロ増えただけで、ドライバーすごい飛ぶようになったな、って喜んでいらっしゃる方もいらっしゃいますので、なので、結構多いですね、ゴルフされる方。

朝岡:ああ、温灸の効果を体力に変えて、エネルギーに変えて、

小宮:そうですね、一日ですからね、ゴルフは。

朝岡:そうですよね、歩きますもんね、またねー。

小宮:そうですね、体力勝負ですから。

石田:小宮さん、本当に生き生きと、明るくいらっしゃるんですけども、いつもゴルフでやっていらっしゃることが、そのメンタルの・・・

小宮:ゴルフはやっぱりメンタル強くなりますね。絶対に最後まで、さいごの一打まであきらめない、っていう、それを試合とか出てて、何度も経験しているので、やはりそれであきらめない癖はつきました。

朝岡:さっきのほら、おばあちゃんの言葉で、「苦労を苦労と思うな」、ね、「自分に正直に」、これゴルフそのものじゃないですか!

小宮:そうですねー、その通りです。

朝岡:ダブルボギーなのにボギーにしたりとか、そういうことよく巷で聞くじゃないですか、まさにそうですよ、なんか、重なってますね?

小宮:そうですね、はい。

朝岡:よかったよかった。

小宮:すべて、繋がります、はい。

朝岡:繋がりますね。やっぱりそれは、患者さんがゴルフやっていらっしゃる方が多いので、私もちょっとやってみようかなっていうことですか?

小宮:はじめは長男が中学でゴルフ部に入ったので、それで一緒に練習しに行こうと思って始めたのがきっかけです。

朝岡:そうですか、そこからまた魅せられて。

小宮:はい、そこから魅せられて、もうやめられない趣味になっちゃって。

朝岡:そうですか、もう、おぼっちゃんよりもお母さんが熱中しているという。そうかー。

NEXT100 ~時代を超える術~

NEXT100年、時代を超える術。
次の100年へ向け、革新を続ける中で、東京温灸院にとって、手を加えず継承すべき「核」となるモノ・・・
4代目 小宮由希子が語る次代へ届ける長寿企業の知恵とは。

石田:それでは最後になりますが、次の100年に向けて、変えるべきもの、変えないもの、東京温灸院さんにとってコアとなる部分を伺えますでしょうか?

小宮:やはりこのもの自体(温灸器)は、もう百余年変わってないし、これからも、これだけは守っていって頂きたいなと思いますね。
やっぱり変えるとなると、これからこの、もっとより多くの方に知って頂きたいな、というところがありますので、そこらへんは次の世代で、任せて頑張ってもらいたいと思います。

朝岡:これ、しかし非常にアナログ的というか、今、例えばどんどん、電気だとか、もっと小型になるとかね、どこでも、家でも出来ます、とかね、そういうものがとてもこう、普通になりますでしょ?だけど、あくまでこれを守って、温灸院さんに行かないと、受けられない。しかも煙がモウモウになっちゃうところに行って受けないと出来ない、っていうね、このポリシーを100年間守り続けてるっていうのはすごいなあと思うわけですよ。

小宮:そう、やっぱり、自分も週2回やって、体がずっと調子良いですね、病気知らずって言いますかね。なので自分が身をもって体験しているので、やはりこれは体調の悪い方には、是非体験して頂きたいなと思います。

朝岡:ああ〜それは確固たるね、そうかー。

石田:ちょっとお伺いしたところですね、お弁当を持って温灸院さんにいらして、そして皆さんでお弁当食べたあと、温灸をして、っていう、ちょっとこう、温灸サークルのような、皆さん集っていらっしゃるっていう風にも伺ったんですけれど。

小宮:あの、食べられない方がやっぱり多かったので、一回分のお食事を一回に食べきれないので、温灸する前に半分食べて、で、温灸して、終わってからまたその半分を食べる、っていう方が結構多いんですけれども。そのときにやはり、食べる回数が多いので、そのときにいた方達とお話しながら、悩み相談とか、体験談とか、

朝岡:はあ、コミニュケーションとか。

石田:コミュニティの場になっているんでしょうね。

小宮:そうですね、あとはやっぱり新しく来て下さった方に、長年通っている方が、私達じゃなく、患者さん同士で説明しちゃう。「私のときはこうだったわよ」みたいな。そういうこともありますね。

朝岡:なるほどね、経験者ならではのね、患者さんが経験豊富だから説明してくれるんですよ、

小宮:その方がなんか説得力があるような。

朝岡:「一緒に行きましょうよ〜」なんて。

石田:あはははは(笑)

朝岡:それってやっぱり、今どんどん高齢化社会になっているから、とてもその、温灸そのものの効果というか、コミュニケーションを求めている方にとってもいいという気がしますね
でも、どうです?100年後にこれ、こんな聞き方したら申し訳ないんだけど、100年後にこの、アナログなこの温灸の、これがどうなってますかね?

小宮:いや〜、どう・・・続いていると思います。

朝岡:だからほら、こう、こういう風にしてこういう風に伝えたいんだ、じゃなくて、なんとなくやっぱり、どうなるかな?ってちょっと思ってらっしゃるけど、続けていきたい、っていうね、なんか滲み出るような意思ってのがまた、温灸、ですね。

小宮:はい。やっぱり副作用も無いと思いますし、自然の力で、自分の力で、健康を維持していきますから。

朝岡:そうですよ、そこが所謂西洋医学のね、白か黒かじゃなくて、こう、じわじわっといく、というものの良さかもしれませんしね。

石田:それでは最後に伺いますけれども、小宮さんご自身の目標、伺えますか?
使命でも結構ですけれど。

小宮:目標はやはり、100年後も続けられるように後継者を育てる

朝岡:後継者ね、つまりその、秘薬を、秘薬はどうやって作るんだよ、っていう風なことを教えられる相手を作らなきゃいけないってことでしょ?お子様?

小宮:はい、三人のうちの誰か・・・やってくれると思います。

朝岡:と思う?そうですかー。
まあ、この番組はですね、所謂長寿企業のリーダーの方をお迎えしているんですけど、どんな業界でも長く続いていくお店なり、会社なり、事業というのは、何が大事だな、という風に、小宮さんは今、お考えですか?

小宮:んーやっぱり、謙虚さですか。いついかなる時代もやっぱり謙虚な気持ちで、驕り高ぶらず。やはりこう、平等にいろんな方と接することが大事だと思います。

朝岡:特にね、いろんな患者さんがいらっしゃるから!

小宮:そうなんです!

朝岡:常にあんまり主観的にぱっと判断するんじゃなくて、まず受け入れてみて、それからお話しながらね、受け止める、っていうのも大事なんでしょうね。

小宮:はい。

東京温灸院4代目小宮由希子。
謙虚さを忘れず 先代が生み出し 受け継がれ続けてきた唯一無二の温灸器と秘薬を守り続け、さらに多くの人達に知ってもらえるように伝え続けていきたい。
この想いは、100年先の後継者たちにも受け継がれていく。

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