- 2020.10.09
―邂逅 (かいこう)― 思いがけなく出逢うこと
渋谷ロフトでは、来年に向けてのカレンダーコーナーが設置されている。 その中で、在庫がなくなるほど人気のカレンダーがある。
その人気商品は創業 114 年を誇る長寿企業株式会社トーダンの『ポップ・カレンダー』である。
販売本部の不破さんは、 “今回の商品は、カレンダーには珍しい「黒色」がベースに使われており付属のペンを使うことで、カレンダーに直接、「書く」 、「消す」を繰り返せます。 カレンダーを広げると、フリーボードが現れる。 フリーボードには、お絵描きの延長で子ども達が自由に書くこともできれば 「コミュニケーション」ツールとして、帰りの遅い父親へメッセージを書くこともできます。 カレンダーが家族の「コミュニケーション」ツールにもなります“と語る。
ロフトの方に話を伺うと、近年のカレンダーのトレンドは、ただの暦を確認するためのものではなくプラスワンの機能が付いたものだと言う。 『ポップ・カレンダー』は付属のペンで自由に書き込めて、間違えてもすぐ消せる。 更に現代風でお洒落な黒のデザイン。これがお客さんの心をつかんでいるとのこと。 鮮やかな色の 3 色のペンを使い、予定を書き込むだけでなく、カレンダーを自分好みにアレンジできる。 ティッシュでなぞれば、簡単に消え、もとの綺麗なカレンダーに。
今回はこの『ポップカレンダー』誕生までの“ものがたり”に迫る。
普段からカレンダーに活かせるものはないかとアイデアを探している強口代表。今回の商品は、飲食店の店先で見るブラックボードのPOP からヒントを得たという。試しにセル板をカレンダーに載せ、図形やメモを書いてみると、その鮮やかさに心を打たれたという。そこで商品化することを決意。
しかし、販売に至るまでに 2 年もの歳月を閲した。
当初、取り外しできるセル板を使おうと案じたが、お客様の目線にたって商品を考えると面倒な作業を増やすことになる。セル板を取り外すという要素はつけるべきではない。
ならば台紙へ直接、書き込めるカレンダーを開発すればいい。台紙はもちろんのこと、ペン選びにまでこだわった。開発部のメンバーで毎日書いては消しての繰り返し、市販されているペンは全て試したとは語る強口代表。
その試行錯誤の末、遂に一つのペンに辿りついた。
辿りついたのは株式会社 呉竹のペン。販売協力のためコンタクトを取ろうと調べてみると、偶然にも呉竹は創業 115 年の奈良の長寿企業であった。
創業から「品質第一主義」を貫き、「安全で、安心して使え、愛着の持てる商品」にこだわる呉竹。お互いが多くの歴史を持つ長寿企業。トーダンの強口代表と呉竹の綿谷代表は初対面となる打ち合わせですぐに意気投合したという。
しかし商品発売までにはまだ困難が。今回の商品の命題であった『発色と消去性』。ブラックボードに映える綺麗な色合い。簡単には消えてはいけないが、ティッシュでなぞれば消えるもの。この問題を解決するには、紙の問題なのか、ペンの問題なのか。
トーダンはカレンダー台紙となるブラックボードの開発を請け負い、呉竹は発色性と消去性を兼ね備えたポップペンの開発を請け負った。研究開発を進める中、両者がお互いの良さを最大限引き立たせることによりついに『ポップ・カレンダー』が完成した。
今回の反響を受けて呉竹の綿谷代表は「長寿企業同士ということもあり単に用途を満たすだけでなく、創業精神である「品質第一主義」「安全で、安心して使え、愛着の持てる商品」を大事に妥協はできないという想いで取り組みました。トーダン様のカレンダーを通じて呉竹マーカーを皆様が手に取っていただけることは非常にありがたい事です。トーダン様からも『呉竹さんのマーカーだから自信をもってお薦めできます』とお言葉をいただき嬉しい限りです。」と話す。
強口代表は「今回の商品は呉竹さんの協力がなければ、決して販売に至りませんでした。私たちは「カレンダーは文化を伝えるもの」だと思っています。これからも「生活文化創造企業」として、アナログの強みを活かし生活の中で役立つような文化的な商品やサービスを提供していきたいと思います。」と語る。
更に強口代表は一過性の人気だけで終わらせず、拡張性のある商品のため今後もこのカレンダーを軸に、実証実験を繰り返し新しいカレンダーへ取りかかっていきたいと語る。創業 114 年のトーダンと創業 115 年の呉竹。長寿企業 2 社が地域を越えて手を取り合い生まれた『ポップカレンダー』を是非、一度試してみてはいかがだろうか。
