伝統の伝道師たち 國六株式会社

森林率が高知県に次いで、全国第二位である岐阜県。
ここに「木のぬくもり」をテーマに100年以上の歴史を紡ぐ企業がある。
1898年、初代國井六彌が岐阜県本巣郡外山村日当(現本巣市)に國六商店を創業。
それから120年。多くの苦難を乗り越え、現在、そのバトンは4代目國井重宏に引き継がれている。
4代目國井重宏が語る、引き継がれてきた國六の精神とはいったいどのようなものなのか。
長く続けているからこそ、できること
企業名の「國六」は、初代國井六彌の名前に由来しています。
創業120周年。本社が岐阜市長住町にあり、愛知県江南市と、岡山県真庭郡新庄村の三拠点で事業を営んでいます。
本社では、住宅建設と不動産賃貸業、岐阜県内の山林管理。江南市では住宅資材販売とプレカット加工、岡山県では純粋に山林業を実施しており、住宅建設と住宅資材販売、不動産賃貸と山林業の四本の柱で現在の國六を支えています。
私が社長になった当時は住宅事業では建売がメインだったのですが、建売ではなかなか企業としての個性を出していくのが難しく、國六の個性は何だろうと考えた時に、長くやってること(創業100年以上であること)が大きな特徴だと感じました。長く続く信頼ある会社だからこそ35年間無料で定期点検を実施することができる。そこで他社と差別化ができるのではないかと考えました。
35年間、とにかくお客さまと向き合い、買っていただいたお客さまに対して、その大切な資産をしっかり守ることは、私たちの責務だと思っています。責務を果たすためには定期的にお邪魔させていただき、いい状態で家をキープしていくということを積極的にやらさせていただきましょうと。
10年間という保証は国で決まっています。私たちはそれを行った上で、プラスアルファで定期的にお邪魔して、太いパイプでお客さまと繋がっていこうということを考えて実施しております。
「繋がる」ということを綺麗にこなすことも可能ですが、泥臭さの中に人情味というものが生まれてくると思っています。お客さまと表面的に繋がっていくことも可能ですが、それ以上のものにしていくためには人の泥臭さ、温かみというものを訴えかけていかないと、リフォームを検討するとなったときにも、「國六さんは他社より高いからやっぱりやめるわ」と金額だけで判断されてしまうような表面的なつき合いとなってしまうこともあります。そこを人間味でカバーしていきたいと思っています。
お客さまと「繋がる」
ということ
“木”のぬくもりと「家族のつながり」をテーマとした展示場のリビング
お客さまに対しての愛着をお届けするということが大切だと考えています。愛着を感じていただくために従業員がそれぞれの立場で努力しています。従業員は、愛着をお届けすることの大切さを理解してくれているので、あとはしっかりお客さまに伝われば良いなと思っています。
私たちの家づくりコンセプトで、丈夫で長持ちする国産の木で作った家の中に、木を使った家族団欒スペースというのを一つの特徴として設計しています。やはり木のぬくもりの中で家族団欒の生活をするのが一番いいのかなと思っております。
最終的には、家を建てるお客さまの状況や家族の皆さまの想いを理解して家を建てさせていただいています。
お客さまと一戸の家を作っていくのは、ある意味楽しいことです。皆さまのことを理解し、想像をしながら作っていきます。お客さまから言葉を頂戴して、それを形に変えていくわけです。
ショールームで床や天井など木のぬくもりを感じていただいて國六のテイストを気に入っていただくことから繋がりが始まることが多いです。
周辺には個性溢れる家がたくさんありますので、その中で國六を選んでいただけるというのは、木という部分に共感していただいている方がほとんどだと思います。
そのために、お家を建てる方と森へご一緒することもあります。國六の家づくりの原点を見ていただいて、理解を深めてもらいたいというのが狙いです。山を守るというCSRとしての活動をしているということも含めて、見ていただきます。山林ツアーということで岐阜の山にお客さまをお連れして、山の勉強をしたりとか、木を伐る体験をしていただいたりすることで森の役割や素晴しさを体感していただくことも実施しています。
災害のときには、大雨で床上浸水してしまったお客さまのところには従業員総出でお手伝いに伺いましたが、何かあったときには、もちろんですが、日頃よりお客さまとの接点を大切にする。常にお客さまのことを考え続けることを、大切にしています。