「飲みやすく、携帯・保存に便利な薬を」銀粒といえば森下仁丹
オープニング・創業の精神 ~家訓や理念誕生の経緯~
今回のゲストは、森下仁丹株式会社8代目代表 駒村 純一/代表取締役専務 森下 雄司。
創業は1893年(明治26年) 初代、森下博が大阪市東区淡路町に森下南陽堂を創業。
1900年に梅毒の新剤「毒滅」を販売し、商標にはドイツの宰相「ビスマルク」を使用したことで、その名は瞬く間に日本全国広まった。
1905年、懐中薬「仁丹」の販売を開始。
発売から2年後の、1907年には海外輸出を開始し、今日まで「健康の外交官」として多くの人に愛用されている。
1936年、社名を、「森下仁丹株式会社」に改組するも
1945年の空襲により本社、第一工場など、多くの施設が全焼。
しかし、そんな苦境に立たされながらも、同年に再建し、事業を継続し続け
その後、ビフィズス生菌のカプセル化成功し、1993年に「ビフィーナ10」の発売。
現在では、医薬品のみならず、サプリメント、化粧品、食品など、多岐に渡って展開している。
今回は、そんな森下仁丹の8代目、駒村 純一/代表取締役専務、森下 雄司)の言葉から、次代へ継承すべき森下仁丹の持つ長寿企業の知恵を、紐解いていく。
~事業内容~
駒村:もともとはですね、銀粒の仁丹と、それから水銀の温度計、これが主力の商品だった会社だったんですけど、最近では、液体とかそれから粉を中に封じ込めるシームレスカプセルっていう技術をコアにしましてね、医療用の医薬品、それからOTC医薬品、機能性表示の食品、一般食品、加えて、この技術を使って産業用の用途開発っていうところで事業展開している会社です。
森下:消費材っていうか個人の人が使うものにはなるんですけども、健康っていうことを当初から、健康とか医薬とかそういったところを中心にやってきてますけども、どこでも出来る商品じゃなくてですね、今社長からあったように、カプセル技術も含めて、自社の独自のものを出来るだけ作ってですね、出来るだけそれを多くの人にとってもらえるように考え方ですね。技術と、あとは治験ていうか、ある程度これまで蓄積したものを使って、我が社ならではの製品を積極的に変えていこうという考え方で事業をやっています。
~腸内フローラの持つ可能性~
駒村:腸内フローラっていう概念が、ここにきて随分変わってるんですよ。昔は、善玉菌とかね悪玉菌っていうことで片付けてきたんだけど、実際みんなね、腸の中のね、細菌のフローラは全然個人個人違っていて、一番最適なもの、食べ物も含めてね、「これは何だ?」っていうのがこれからの実は一つのポイントになってきます。
だから、我々もね、商品の開発の方向性っていうのは、単純にこれをとればフローラがいいとかね、どうのこうのっていうもうアプローチではない。少し方向を変えている最中ですね。
森下:ビフィーナが自分もとってますし、1番おすすめして皆さんも評価していただいてるものではないですかね。
駒村:最近出た中では、サラシアっていう素材が、糖の吸収をカットするんで、まぁお茶漬けまで実は出していただいたり。コラボで一緒に。山本海苔さんと一緒にやって。あと、あれがいいじゃない、テラニン。
テラニンっていうのは、所謂鎮静効果ですよ。気分を落ち着かせる。それね、こういうちっちゃなゼリータイプのを最近出したんで、この辺は是非1回お試しいただくとね。
ここからは、テーマにそって、「森下仁丹」の持つ長寿企業の知恵に迫る。
最初のテーマは、「創業の精神」。
創業者の想いを紐解き、家訓や理念に込められた想いを紐解く・・・
駒村:創業者が作った社是があるんですよ。それがね、「原料の精選を生命とし、優良な製品を作り、進みては外貨を獲得する。さらに、宣伝広告については、薫化益世の精神を持って行うべし。」あの3つのポイントなんですけどね、僕の前にいたところの三綱領と同じような、非常に類似した言葉で、これに実は入った時に感銘を受けたなっていう。そういう社是があります。
で、よく言います。みんなわかってんの?って。すごいですよ、当時、明治の終わりの頃、外貨をとにかく獲得する。現に、明治から大正にかけては、もう輸出額、日本からの医薬品典系のね、輸出額ナンバー1なんです、仁丹っていう会社は。
っていうことをずーっと言うんですけど、なんかちょっとね、古い時代のことなんで、もうひとつどうかな?若干その辺の不安があるんですけどね、それは常に言ってます。
森下:社長も折に触れお話になりますし、みんなも認識してるとは思うんですけど、結局行動が伴わなければ意味がないし、言葉を新しくしても結局そこに繋がらなければ、意味がない。医薬品のメーカーである限りは、基本的にその位置では変わらないと思いますから、基本的にはそれに基づいてみんなそれぞれ。
で、部門もそれぞれ違いますから、本来、行動は結果的には違うものが出てくると思いますけど、基本それに準じてみんな少なからずやってますし、もっと我が社として取り組むとすれば、どんどん出してきてもいいかなというところで、浸透とすればみんな認識はしてますけど、そこから次の行動に移すっていうのをもっと力を入れないといけないかなぁと思います。
~歴史を学ぶ重要性~
駒村:全く白紙で入ったわけではない。予感して調べたわけじゃないですけど、僕らが入る前に仁丹っていうのは、僕は生まれは神田なんでね。仁丹塔って有名な塔があったんですよ、浅草に。で、あの辺が本社なんじゃないかなっていう認識は結構、入る直前ぐらいまで持ってて。
で、たまたま私海外にいたんですけど、その周辺にね、森下仁丹の結構ステークホルダーがいたんですよ。で、チラチラとその仁丹ってこんなんっていう話を聞いてて。
で、戻ってきてちょっと調べて、あぁこんな会社かと思ってるときに、なんかタイムリーに仁丹からどうだっていう話があったという程度の予備知識です。
森下:入るまでも表面的なこととか、歴史とか、家に製品があったりしますんで、どんな製品やってるとかっていうことは認識はしてましたけど、やっぱり会社に入って見ないとわからないこともやっぱりたくさんあって、それは当然良い面も、課題とされるものも両方入ってみて分かったことがたくさんありますから。それまで見えてたものって商品しかなかったんで、当然入れば、社員だとか得意先だとか、いろんなものが絡んではきますんで、それを改めて見る機会になったのは入社してからだと思いますね。
身震いって言ったらあれですけど、やっぱり長く続いてきたっていうことの大変さでも感じますし、これから先、時代も変わって、さっきの社是と一緒で、時代時代で必要とされるものも変わってくるとは思うんですけど、これから先どういったものを作って行くかっていうのは、自分たちがやらないといけないっていうのは、再認識はそのタイミングでしましたんで、そっからですね、いろいろと考えるようになったのは。
~社長就任後に行った改革~
駒村:制度をね、法律と一緒で変えるってそう簡単じゃないんでね、その運用を、その時点で現実的な運用にしていく。ということで、これまで少しそういう制度上の歪みとかね、いうものを是正してきましたけど、そろそろ、制度全体を見直すタイミングにはきてるかなぁと思いますね。
森下:やり方を変えるって、結構やってる人たちからすればですね、不安だったりですね、難しさがやっぱりあって、嫌がる人だとかですね、やっぱりそういう風に感じてる人は多かったと思いますよね。ただそれは、こういう方向に持っていくためにとか、ここをこうするためにとかっていう説明を踏まえてですから、やっぱりそこはきっちりみんな新しく変わったものについてはそれでやろうっていう意識を持ってやってた人も多いと思います。
だから、なかなか合わなかった人はもしかしたら、去っていた方もおられるかもしれませんし。でも今、その結果、よくなってるとこも非常に多いので、みんなを信じてやるしかないかなぁと思います。
~二人の役割分担~
森下:両方バッて言ったらね、みんな逃げ場所なくなりますから(笑)
駒村:そうそう。2人とも詰まってね。こうだこうだ!ってみんなの目の前でね、やりあってたら、これどうなっちゃうのってことでね。どっちかが、でも両方とも引っこんでたらね、なんかシーンってした雰囲気になっちゃって活力も出ないし。で、たまたま性格的なものもあると思うんですけど、ちょっとそういうその役割は自然になってるかなと。
僕はどっちかというと“前に攻撃していく”。下手すると、時々後ろを見ないで走っていっちゃう癖もあるんで、その辺専務が、“気を付けて見守っている”いや、見守るなんて優しい気分じゃないんだけど(笑)このままやらせてたら何するかわかんねぇなっていう、そういうコンビネーションが出てきてるっていう。これからもうちょっと先、進化させると。
ただね、もっと言って良いんじゃないの?って、自己主張、こう思う。
森下:でも、さっきもあった、社長がまず今の全面に出てお話されてますし、そこを私もどう形を作っていくかっていう今の立場にすれば、すごくそれはありますし。社長はもう先に言葉が出るところもありますから、そこをみんなに翻訳するっていう。
~理念の進化と浸透~
森下:元々古い会社というのもあって、今までやってきたことも大きいと思いますけど、自分たちとして積極的に変えていこうっていう意識がどれだけあったかっていうと、他社さんに比べて、まだまだ足りないのかなというのは過去あったと思うんですけど、そこはやっぱり社長がいろんなメッセージを発してですね、新しく変えていこうという、そういう意識は出来ているかなぁという風に思います。
だけど、いずれにせよ、真面目とうか、みんな基本的には、どこの会社もあるかもしれませんけど、真面目な人たちが多いっていう印象ですね。
決断 ~ターニングポイント~
ナレーション
続いてのテーマは「決断 ターニングポイント」
会社の発展と共に訪れた過去の苦難、それらを乗り越えるべく先代達が下した決断に迫る。
〈入社当時の現状〉
駒村:いっぱいそのポイントはあったと思うんですけども、まずね、口はばったいんだけど、僕が入社したことは確かに最初のターニングポイントだった。で、その後に、「これ!」って言えるターニングポイントはまだ出てないです。むしろ、最初に決めた方向性をずっとなぞってその方向で来てるんで。
ただ、やっぱそろそろ、今言ったミッションは守りつつやってるんですけど、ビジョンをね、作る段階になって来たら、僕は10年間くらい社長やってますけど、この数年間で相当価値観ね、世の中の価値観が変わってるんでね、このビジョンってやっぱり、次にこの会社・企業を引き継ぐ人たちが作っていくべきかなって僕は思ってますけどね。
僕はやり甲斐あると思った。おお、きた!っていう感じね。
執行役員って経営企画の責任者っていうことであります。まず、自分たちのポジションね、会社の。言った言葉は、みんな“茹でガエル”ある。これ結構前から言ってる話なんで、旧聞でもう古いんですけどね。「会社は、まぁ存在しなくても困る人はいないね」と。「あの状況では。だからもうレッドカードが出てると。イエローカードじゃなくてね。まずそっからスタートよ。じゃあどうするかってことを考える。さぁ、どうしましょう?」これが当初のよく言ってた言葉です。
だから組織の整備なんてね、してません。要するに人の意識を変えること。それから、所謂、年功序列を極端にはやってないんだけど、少し逆の方向に持っていくとかね、ということで、まぁみなさんにちょっと気付いてもらう、これだけ会社って大変なんだよって、これをやんないと生きていけないってことを気づいてもらうっていうのが最初に仕事だったですね。
〈森下雄司が語る「駒村純一の印象」〉
森下:最初お話したときは、僕の印象は穏やかな印象でしたね。その実際にいろんなこと考えて、おっきく変えていこうっていうところに向けた準備っていうか。なので、急に一気にやったって言うよりは、着々といろんなことに着手されてましたし、それを一個ずつやろうというタイミングだったと思うんで。
それから、ただ、さっきおっしゃった“茹でガエル”っていうのは、やっぱり非常にわかりやすい表現が、グツグツ煮えたぎってるのに全然気づかないというか、それは自分たちが気づかないとですね、このままじゃまずいっていう風になりませんし、組織変えたり人を変えただけでは、変わらないんだろうなと思いますから、そこを社長のと話を聞いて、やっぱりな、そうだなって感じることは非常に多かったですね。
駒村:1〜2度、みんなで結託して追い出されかかったりね。それは、ただ彼が入ってくる前で、僕が社長になる前のちょっとその激動期のお話なんでね。ここはもう、それにめげず、たまたま創業家のね、理解をいただいてたんですよ。そういう意味でいうとね。やっぱ立て直しの時は、わけわかんないこと言ってとっくむような人っていうのは、これからね、やっぱりあんまり役に立ってもらえないという認識で僕も仕事やってましたから、結構その時点で、これはちょっとかなわないから撤退っていう人もいましたね。
~後継者への想い~
駒村:僕の前も2代続けて、創業家外からの就任だった。
だから、創業家から最後は、今の時点で20年以上経ってるかな。だから、外から入った人が僕も含めて、繋養してきたですね。
例えば、この会社ってのは上場会社だから、ある種公的な存在だと考えたときに、ステックホルダーがいっぱいいますよね。その人たちがハッピーになるためにどうするかって選択で、正直この2〜3年は悩みましたよ。どうしようか、誰がいいんだろうか。
でも、そこを経て見ると、これはいけるな!だったら体制をしっかり作れば、新体制が出来そうだっていう風に思って、はっきりそのこと言い出したのはここ最近です。
譲れないっていう部分については、強い口調で意見を言うし、それと、あるちょっとチェックを社員全体でやってみて、持ってるポテンシャルが、まぁどっちかと言うと「静」なんだけど、実際的にはそうでもないね。案外、攻めの要素もある。で、それの所謂スキルが結構備わってるなっていうのがわかってきた。だったらこれ大丈夫かな。
で、案外、今猫かぶってるっていうか大人しげにしてるけど、ひゅっと一皮むくと違う面も出て来そうになってる部分もありそうだな。
言魂 ~心に刻む言葉と想い~
ナレーション
続いてのテーマは「言魂、心に刻む、言葉と想い」
駒村 純一と、森下 雄司が家族や先代から、受け取った言葉
そこに隠された想いとは?
駒村:今まで言ってないんだけど、1つだけあるんですよ。他は全部忘れちゃった。そんなもんどうでもいい、当たり前だと思って。
これはねちょっとね、あえて言うとするとね、先輩は前の会社の役員になった人ですね。結構可愛がってもらって、「おい駒村な、お前な、企業に入って、上の地位に立つっていうことは、日本の今の環境とか感覚でいうと、かなり家庭に迷惑をかけるよ。家庭を犠牲にしないとなかなか出来るもんではない、そこを忘れるな。じゃあ、家庭に対してどういう形でそれを補充というかバックアップっていうか、その分をどうやって埋めるの。よく考えとけ。」って言われたんです。この言葉だけはね、今だに残ってます。
今ね、要するにダイバーシティーとか色々言ってるんだけど、当時はまだ、男性が働いて奥さんが専業主婦ってね。ただし、それだけ負担を家庭にかけている。だいたい企業戦士ってその戦いの中で生きてるからそういうことになるよ。そこを放り出して、それは俺が偉くなったんだから当たり前っていう態度は良くない。よくその辺のバックアップは考えろって言われたのだけはよく覚えてますね。それはずっと守ってきてるっていうかな、確かにそうであるんだったら昔の僕は人間だから、そりゃ男たるものっていうところがあるわけですね。まぁそういう気概とか気質がものすごく大事だなって。
感謝の気持ちを忘れるなっていう意味だと思うんだけどね。周りの人に対してね、色々サポートしてくれた人に対する感謝の気持ちを忘れちゃダメよという意味合いだったという風にも捉えています。
~森下雄司が胸に刻む言葉~
森下:僕はいっぱいあるんですけど、いろんな人にいろんなことを言っていただいて、非常にこう感銘というか、あぁそうだなと思うことがたくさん、それ本当に若い頃とか特にいっぱいありましたし。
今は、改めて会社に入って、創業者翹楚が言っていた言葉っていうのを当時のうちの先代が残した本で、「済世利民」っていう言葉なんですけど、世を助け民に利する。社会奉仕ですよね。その言葉をそういう考え方を持ってやってたっていうのをこう読んでですね、さっきの社是と同様で、やっぱりそこはずっと変わらない考え方だと思いますし、それを今の世の中だとか会社だとか今の自分に照らして、どういうことをするかっていうことを常々考えますけど、基本的な考え方はそういう考え方に基づいてやっていきたいなっていう風に思います。
続いて、駒村 純一が、現在、胸に刻む言葉・・・
駒村:昔からこれ一緒で、「有言実行」なんですよ。どっちかっていうと僕は口に出す方。それから何かやろうと思った時に、言葉にしておくとですね、記録が残る、ある種の。責任取らざるを得ないじゃないですか。だから言っちゃうんです。言っちゃうとやらざるを得ないでしょ。だから、何も言わずにやってみせるなんていうのは、あんまり格好良くないじゃないですか。それはいつも心がけているんで。
で、実はその有言の部分がよく変わっちゃうんですよね。実行フレーズになると、ちょっとこれ言った通りにいかないなって思うと、あれ撤回撤回って言ってね。ちょっとキョトンとされるケースがね、多々あるんですけどね。それが・・・
森下:先に宣言ですよね。
駒村:宣言しちゃう。
森下:コミットするっていうか、これやるぞ!っていうことを先にまずはっきりしますんでね。僕は逆に不言実行の方なんでね。社長のその行動が全てそれに伴ってやってらっしゃると感じます。
貢献 ~地域、業界との絆~
「地域や業界との絆」
森下仁丹が行っている地域や業界での取り組み。そこに込められた想いに迫る。
駒村:業界や地域のそれからローカルっていうところで言うと、玉造っていう名前のつく町内のね、商店街とのタイアップとか、それからもうちょっと大きい範囲で言うと、ロータリークラブ、それから大阪の家庭学の業界、同業の業界ですよね。その他、関連してるとことの関係は非常に重要視してます。
森下:「NOREN百年会」って言う、大阪の古い会社さんが集まっている会合があります。それから引き続き参画させていただいたりとかって言う機会はあると思いますね。
駒村:まだね、うちの企業としては中堅の企業ですから、それより規模の小さい企業さんも結構おありになってて、どっちかと言うとその中での中間リーダー的なポジションにある企業だと思ってるんで、やっぱりね、ある種の社会責任としてやっぱそういう事業・活動にも積極的に参加すべきという風に思っています。
森下:自分たちだけ良くなればみたいな話になってしまうと、そこまでだと思うんですよね。地域も、そりゃ近くに住まれてる方がうちに勤めてくれてはりますし、業界も当然、一緒に課題を解決していこうみたいな話がなければですね、共存共栄とは言いませんけど、やっぱりそう言う意識は当然ありますし、どういう形・どれだけそれに取り組むかって言うのは会社さん独自の部分があると思いますけど。
それはずっとなくなっちゃいけないのかなって、会社がずっと本社のある場所も、古くからそこにいさしてもらってますし、そういう気持ちは常に持っておくべきかなという風に思っています。
NEXT100 ~時代を超える術~
ナレーション
最後のテーマはNEXT100、時代を超える術。
100年後にも変えない 「森下仁丹」にとっての核。
そして、次代を超え、変える必要のあるもの。
森下仁丹とっての革新を、駒村 純一、森下 雄司が語る。
駒村:もう要するに、社会の核。社会で光る存在。あんまり横並びではない、キャラクターとして非常に光る存在でいて欲しい。抽象的なんですけど。
ただでっかくなればいいってもんじゃなくて、おっ、さすが、これは仁丹しかないね!っていうものを持った企業で永続してくれるのが、私としては、どうせそんなの見れないんだけど、願う部分ですな。
森下:おそらく創業者も今の時代を想像していなかったし、100年後ここに誰もきっと生きていないと思うんですけど、やっぱり必要とされるものは、世の中にあれば、それを提供し続けていればですね、世の中には、さっきの話と一緒で、必要とされるものを提供してる会社であればですね、やっぱりどんな時代でも生き残るっていうか、残ってると思うんですけど、そのものが何なのかっていうのを関与するみんなが必死に考えてですね、仕事を続けているような会社であって欲しいと思いますね。
(駒村純一の使命)
駒村:いや、そこまで考えてないですね。やったら、指名って言ったら、まぁミッションでしょ?この企業については、もうすでに立派なミッションがあるわけですよ、さっき言った、原料の精選とかね。これはだから、そのままずっとやっていけばいいんで、あとは個人的にどうするかっていう問題で、これはまだ何も今のところ考える暇もないんで。
(森下雄司の使命)
森下:今、名誉会長がいてるんですけど、名誉会長が常々言われてる話が、もともと先代ですよね、名誉会長が本当に、「永続頼むで」というのが遺言でこう言われたという話で。名誉会長も私に「永続頼むで」という話をされます。
で、会社が存続するどうこうの話はやっぱりありますけど、どういう形で続くかは好きにしてですね、やっぱり世の中に必要とされる良い商品を提供するということが、結果として社会奉仕になるし、それが医薬品ということであれば、より我々としても鮮明だなという風に思いますんで。やっぱりそこをきっちりと繋いでいくっていうか、長くそういう考え方で。
商い。飽きないっていうね。商売っていうか、飽いたらいけないっていうか、仕事なんで飽きずにずっとそういうものを継続していくってことを、個人的には意識してやっていきたいと思いますし、それが結果として社員には良い製品を作ってですね、仕事が充実した日々になれば、それはいいと思いますから、そういう意識で引き続きやっていきたいと思いますね。
駒村:ミッションは、ビジョンをやっぱり作ること。要するに、社員と一緒にやっていくですね。だから、“自分のビジョンはこれですよ”っていうのを見せてあげる。目標ね。まぁ是非これを心がけて、早く、当然相談に乗ります。相談しながらね、あんまりずれてたら、ちょっと違うんじゃない?っていうのを言いつつ、見せるっていうことが大事だと思うんだよね。
森下:教えていただいてることを、今までもいっぱいありましたし、これからも色々お聞きしたいと思いますけども、身体も元気で、あんまり元気すぎるとちょっとあれですけど(笑)、やっぱそこは、社員・会社にとっても個人としても健康で元気でいていただいて、引き続き、ご支援なり一緒にやっていく関係であり続けて欲しいなって・・・
駒村:もはや、僕のビジョンじゃないからね。もちろん、森下仁丹としてのビジョンだけど、そのビジョンね、made byっていうところが、もう、ね!この次だってビジョンっていうのは1年先2年先じゃないでしょ、こんなのバジェットだよね。やっぱ5年・10年経った時、私が残したビジョンをまだ5年も10年も続ける。中身一緒でもね。だったら、その頃にそれの結果を見る人たちが作ったものってなんないとね、先のことですから。
~長寿経営の秘訣~
森下:“志”。初志貫徹というか。同じ商売をずっと続けてらっしゃるところもあれば、そうじゃない会社さんもやっぱりありますんで、ただ、一番最初に決めた志というか、そういったものが何かってだけだと思うんですよ。そこをブレずにやっていれば、必ず続くというか、あり続ける部分だとは思います。
駒村:“粘り”だから例えば、ミッションがあってビジョンを作るでしょ?で、結構最近のPDCA回したってなんだってやってるんだけど、うまくいかないと、なんかそこでドロップしっちゃったりね。いや、そうじゃないと。
そのためにはね、やっぱりPDCA本当に回すんですよ、チェックして、変えればいいんでしょ、自分の動体とか動きを変えていく。それで、粘って粘って、もちろんもう本当に勝算が全然ないものにあんまり固執しちゃいけないんだけど、いける!と思ったときは、やっぱり粘り勝ちっていうのがあるから、この辺をちょっと意識しながら、あんまりアッサリと負けを認めない。ここがポイントかな。
森下仁丹、8代目代表 駒村 純一/代表取締役専務 森下 雄司が 次代へ届ける長寿企業の知恵…。
「森下仁丹にしか無い」と、言われるモノを生み出し続け、光る存在の企業であって欲しい。
必要とされるものを、提供できる会社であれば、どんな時代でも生き残る。
それが何かを考え続ける会社であって欲しい。
この想いは100年先の後継者へ受け継がれていく・・・。