株式会社 東京メガネ
貢献 ~地域、業界との絆~
現在、地域との取り組みや地域貢献活動など、会社や社長ご自身が行っている事はございますか?
白山:本社が世田谷なので、世田谷とのかかわりで言いますと、昨年の秋からバスケットボールのリーグが統一になって、Bリーグがスタートしました。そこの2部のアースフレンズ東京Zというチームがあります。大田区と世田谷区を拠点に活動しています。ご縁がありまして、そちらの応援をさせていただきます。あと世田谷で言いますと、女子サッカーのなでしこリーグの2部にスフィーダ世田谷FCというチームがあります。こちらも世田谷の仲間として応援させていただいています。
朝岡:こちらは社員の皆さんも応援に行ったりしているのですか。
白山:そうですね。私たちはスポーツ選手のスポーツビジョンに取り組んでいますので、そちらをアピールするのと、社員とその家族も応援に行っていますね。
朝岡:スポーツも視覚というのが非常に重要で、そこにメガネとの接点がありそうですね。
白山:そうですね。私たちは1980年代からスポーツビジョンの研究をしているのですが、以来3000人くらいのアスリートの目を調査しています。やっぱりトップアスリートのスポーツビジョンは優れているというところで、例えば、野球の入団テストでもスポーツビジョンのテストを導入して頂き、競艇の専門学校でも入学テストに導入して頂いています。日本における、目と運動の関係を長年啓蒙活動させていただいています。実は、世界では運動能力が高い=見る能力が高いとなっています。
朝岡:それが地元のスポーツチームとつながると、応援もできるし、スポーツビジョンを広げることが出来るのですね。
さらに東京メガネは、好きなフレーム生地・デザインを選択し、自分だけのメガネを自らの手で作る事ができる「手作りメガネ教室」を定期的に開催している。
150種以上の生地からフレーム素材を選択し、フロント・テンプルそれぞれに馴染みやすい色・柄を選ぶか、あえて全く異なるタイプを選ぶかは、個性の見せ所。続いてパターン紙を生地に張り付け、糸ノコギリで切り出す作業へ。専門のスタッフがサポートしてくれるので、安心して作業に集中できる。その後、やすりとサンドペーパーで切り出したフレームの形を整えて、手作りメガネ教室の作業は完了。完成したフレームを、福井県鯖江市のメガネ職人に送付し、職人が仕上げ作業を行い、オリジナルのメガネが完成。
東京メガネは、この「手作りメガネ教室」を通して、モノづくりの楽しさを多くの人に伝えているのだ。
メガネ業界内で新しいことを始めようなどといった取り組みはあるのですか。
白山:私どもメガネ業界の悩みは、メガネ自体を消費者の方があまりご理解されていない。年を取れば、近くが見えなくなってくる。若いころから遠くが見えない。これはメガネをかけるという行為は同じですが、作るメガネは違うのですよね。このようなことを消費者の方が理解しないと、どこでメガネを作るのが適正かわからなくて、お困りになられているお客さまが沢山います。ですから、メガネの本質的な目的はどのようなものなのかを、もっともっと啓蒙するために業界の活動をしなくてはならない。
最も象徴的なのは、メガネを作っている技術者・従事者に資格があるのかないのか。実は現在、資格は必要ないです。これは参入障壁がなく、誰でも参入できるということです。ですから、お客様の信頼を得るためにはちょっと問題があるのかなと、昔から考えています。業界内の私的な資格はあるのですが、公的な資格にしようという活動を戦後からずっと継続しています。私も現在その活動をしています。
お医者さんであったりは、公的な資格を持って薬を出して、信用してもらえる。メガネも同じように資格があれば、よりお客様の信頼を得られる、深まっていくということですか。
白山:医者のように命の危険はありませんから少し話は変わりますが、ちゃんとしたメガネを作ろうとしたのにそれが出来なかった、誰に文句を言えばいいのか、どうしてそうなってしまったのか。そういうことを考えると、メガネはだれが作ってもいいという話ではない。
そういうことで、私共としてはお医者さんほど厳格な資格でなくとも、「このメガネ屋さんは公的な資格を得てるメガネ屋さんなんだよね」ということがわかれば、消費者の信頼度も高まっていくと考えています。メガネ屋になってはいけないとは言っておりませんし、色んなメガネがあっていいと思うんですけど、メガネとしての本質的な部分ができるところとできないところの見分けがしっかりできるようになった方がいいんじゃないかと考えています。
企業が事業を続けていく上でかかせないもの、それが、地域との関わり。
長寿企業が行っている地域貢献、そして、業界で行っている取り組みとは。