Story~長寿企業の知恵~ 「 NEXT100 」
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諏訪貿易 株式会社
NEXT100 ~時代を超える術~

ナレーション

NEXT100、時代を超える術。確信を続け、100年先にも継承すべき、諏訪貿易に取って核となるもの。
そして、3代目・諏訪恭一が語る、次代へと届ける長寿企業の知恵とは…!

石田:

最後に、次の100年に向けて変えるべきもの・変えないもの・御社にとってコアとなる部分を伺えますか?

諏訪:

はい。良いものを扱うこと。それは、変えないですね。それはもう絶対だと思います。今一番どんなことが起こってるかと言うと、宝石って、今まで出たものは誰かが持ってるわけですよね。捨てられてないですよね。ですから、持ってる方がたくさんいらして、その方たちが、そのまま受け継がれるし、また、たくさんある場合には、一部を他の方に譲りたいと。その為にですね、所有されているジュエリーの格付け評価と仲介の仕事をもうずっと前から始めてるんですよ。それを強化してですね、皆さんに役立つような仕事をしていきたいなと思います。
あの、過去の宝石輸入の時代、それから、OEMを中心にした諏訪のジュエリー。もちろんそれは大事にしていきますけど、新たに、皆さんが所有されているジュエリーの格付け評価。格付け評価しないと1個1個全部違いますから。先程、朝岡さんに言われたように、その石だけじゃなくて仕立ての良し悪し、それをきちんと判断して。で、もうひとつ、マーケットによるマーケットの人気度があるんですよね。ブランドの非常に人気があるとか。それもちゃんと判断して、そして、適正な価値に見合った価格を付けてですね、それで、お客様のものをお預かりして、欲しい方に渡していくという、そういう仕事をしていくと。それが私すごく大事になってくると思うし、それがまた私共のビジネスの一つの柱に育っていくというふうに思っております。

朝岡:

これからの100年を見据えてのそういう動きだと思うんですけどね、まぁ今4代目の社長がいらっしゃる諏訪貿易さんですけど、100年後に後継者がいらっしゃったとして、その時にまぁ諏訪さんが仰っておきたいことってのは何かありますか?

諏訪:

はい。所謂宝石はこれからもどんどん増えていきますから、これはエコの為にも、今あるものをきちんと受け継いで、世界的に受け継いでいくということ。実際に行われているんですよね、もう。何億のものがオークションで、高いものは30億とか50億のものが販売されてます。販売というか、人から人へと渡されていってますね。そういった仲介の仕事。ちょうど不動産と同じですよね。不動産の仲介。そういったことが宝石商の本当の役割で、もちろん低単価のものだとアクセサリーに近いものはありますけど、アクセサリーと価値のある宝石。それはやはりもっとちゃんと分かれてくると思うんで、そのきちっとした宝石を渡していくと。で、皆さんが納得して、それによってジュエリーの良さがさらにまた強調されてくるなと。
そういう為にも本を、今、「自分でできるジュエリーの品質判定」という本を今度企画しておりますけれども。
それ、実際に自分で出来るかどうかは、それはプロでも難しいのに、難しいかもしれないけど、でもまぁ、本のタイトルとしては、それだと買ってくださるんじゃないかなぁというそんな想いもあるんですけど。でも、自分でできるジュエリーの品質判定。そういったことが21世紀にはもう必要になってるし、今ないところだと思うんで、そこのところはやっていきたいなと。で、それは私は、100年後も活かされていくんじゃないかなというふうに思いますね。で、それが、世界的にないんですよね、世界的に。真偽の判定まではあるんですけど、そちらの方にこう詳しくされてしまって、まぁ一面ドロドロした価値について。その価値は市場が決めるわけですけども。そういったことをですね、きちんと見据えてやっていくように後継者に託したいなというふうに思っております。

朝岡:

やっぱり、こう長く事業を続ける秘訣っていうのはズバリどういうところにあると思いますか、この宝石のお仕事というのは。

諏訪:

やはりこれは、どの仕事でも同じだと思います。変化への対応だと思います。マーケットが変わっていきます。在庫の量も変わっていきます。その時の色んな経済状況も変わってきます。ですから、変化への対応をどうするか、その時にやはり根本を失わないで良いものを扱うというところできちんとやっていけば、私は、世の中に役立つし、そして、企業としてそれの存続の原点になると思います。

朝岡:

なるほどねー。

ナレーション

諏訪貿易株式会社3代目・諏訪恭一。
「良いものを扱い続ける」。時代が変化し、お客様が変わっていっても根本にある信念を忘れないで欲しい。
そして品質を見極め、価値を判断する力を養い、大自然が生み出した輝きを 人から人へと繋いでいって欲しい。
この想いは100年先の後継者達へ、受け継がれて行くだろう。