東京物理療法研究所 東京温灸院
オープニング・創業の精神 ~家訓や理念誕生の経緯~
今回のゲストは、東京温灸院 代表取締役社長 小宮由希子さんです。よろしくお願い致します。
一同:よろしくお願い致します。
朝岡:温灸院…
小宮:はい。
朝岡:“灸”はお灸の“灸”ですよね?
小宮:そうですね。
朝岡:これ、温灸院っていうのは、病院のような施設をおやりになってるんですか?
小宮:治療院になりますかね。
朝岡:治療院をおやりになってる。あぁそうですか!事業の内容っていうのはその…
小宮:(卓上に置いてある)この機械を使っての治療になります。
朝岡:おぉ−!
石田:今は何代目でいらっしゃいますか?
小宮:私で4代目になります。
朝岡:4代目。へぇー!
この温灸院というのは、私あんまり聞かない気がするんですけれども…
そうですね。世界では、多分ここだけだと思うので、
朝岡:ほぉー!
小宮:なかなかやっぱり知られてないところがあります。
朝岡:知られてない!っていうのが強みですよね。特徴っていうか。
小宮:もっと知って頂きたいんですけども(笑)
一同:笑
朝岡:はぁはぁはぁ!
小宮:なかなか…。
石田:ねぇ。実はですね、私、体験させて頂いたんです。温灸というものを。
朝岡:おぉ!はい。
石田:いや、もうびっくりしました!もっと熱いのかと思っていたんですけれど、あんな気持ちがいいですね。
小宮:そうですね。ぽかぽかして。はい。
石田:そう!じんわりぽかぽかしてくる感じで。もうつい、うとうとしてしまうような。
小宮:はい、そうですね。
石田:ねぇ。
朝岡:そうなんだ。へぇー。だから、熱灸院じゃなくて温灸院。
石田:温灸院。あたたかいんです。
小宮:温灸院です。心地良いですね。
朝岡:心地良い。
石田:そのおへその上にこちら(卓上にある機械)を置いてくださったんですけれども、改めてこちらを説明頂けますか?
小宮:はい。これは一応おへその上に布を置きまして、その上にこの薬室っていうのがありますね。
朝岡:あっ、ここにちゃんとおへその穴みたいなのが!(真ん中に穴の空いた布を見せて)ここにちょうどおへそがくるように?
小宮:そうですね。真ん中にくるように、はい。
朝岡:ここにね!はい。
小宮:そして、この薬室って中に赤い…これが秘伝薬なんですけれども、
石田:あぁー!気になりますね、その秘伝薬。
朝岡:え、これを?
小宮:これをこの中に詰めるんですね。
石田:えぇえぇ。
朝岡:あ、これね。(手に取る)ほんと疑り深い性格ですみません。
一同:笑
朝岡:裏見るとね、こういう風にこうちょっとね…
小宮:ガーゼで。
朝岡:布が、通気性のある布みたいなのが敷いてあって、
小宮:そうですね。
朝岡:ここ、こっからこの赤い秘薬が
小宮:温めることによって、こう浸透していく。
朝岡:このおへその穴から。
小宮:はい。
朝岡:じわっと。
小宮:そうです。
石田:あっ、今ちょうどこちら(モニター)に出されていますけれども、
朝岡:えっ、これ石田さん?
石田:そうです!うふふふふふ(笑)
朝岡:あら、なんかさ…ちょっとあの…(笑)
石田:あはははは(笑)
朝岡:あの黄色いセルロードみたいなのは、あの焼肉屋さんに行くと
小宮:そうですね(笑)
朝岡:煙が飛ばないようにああやってこう伸び縮みするやつありますよね?
小宮:そうです!まさにそれです!
石田:それで、結構煙が出てるんですよね?
小宮:そうです!これだけのもぐさを
朝岡:もぐさ多いですよね!
小宮:5つ燃やすので、
朝岡:5つ燃やすんですか?!
小宮:えぇ。で、1時間かかります。
石田:あぁー!でもね、あのね、私あの、ちょっとこう香りを感じたんですけれども、でもその時、煙たいような煙じゃなくて、
小宮:あぁ、そうですね!
石田:なんていうかリラクゼイションのような、ハーブのような、いい香りがしましたよ。
小宮:そうですね。畳の藺草の匂いに近いかと…
朝岡:あっ、じゃあこう気持ちもなんか和らぐというか
石田:そうです。和らぐようなリラックス…
朝岡:リラックスできる、そういうこともあるんですね。
小宮:はい!
朝岡:へぇー!でも、しかし、このもぐさっていうのは、だいたい普通のお灸する時にその点点点みたいになってる…
小宮:ありますね。
朝岡:その先端が赤くなっちゃって、あちちちち!ってなってるじゃないですか!
小宮:はいそうです(笑)
朝岡:そのもぐさがこんなにいっぱいあって!?
小宮:あれは、すごく極上のもぐさで、あのこれはそれをもっと粗くした
朝岡:そうなんだ
小宮:はい。
朝岡:で、この熱でその秘薬がおへその中から浸透して、同時にその…なんていうか…
小宮:血流がとても
朝岡:血流が良くなって、まぁリラックスできるということもあって。あぁ、そうですか。あぁーなるほどねー!ほぉーほぅほぅほぅほぅ。
石田:でも、実は、私はじわじわとこうあつくなる感じだったんですけど、他にはあちっ!て、すぐあつくなる方もいらっしゃったり?
小宮:そうですね。あとは、同じ方でもその時の体調によって、あつくなる時と全くあつくならない時とありますね。だから、その時の自分の体調をなんかこう把握できるような。
朝岡:あぁ、そっか。
小宮:あつくない時は、こう疲れたり睡眠不足だったりなのかなみたいな。
朝岡:そうですか。
小宮:ある程度。
朝岡:えっ、小宮さん自身も時々やってるんですかこれは。
小宮:そうです。今、週2回ほどはやってます。
朝岡:自ら?
小宮:はい(笑)
朝岡:自らねー(再び機械を触り出す)
石田:でも、いや、実はお伺いしたんですけど、小宮さん普段はファンデーションを塗らないそうなんですね。
小宮:そうなんです!
朝岡:今も?!
小宮:いや、今日はメイクさんがついて頂いて
朝岡:今はちょっとね。でも、お肌とても何かこうつやつやなさって滑らかで!
小宮:やっぱりこう胃腸の環境を良くすると、肌にも良くなる気はしますね。
朝岡:はぁーそれは実感としてね、お感じになってるんだ。
小宮:実感として。はい。
朝岡:今なんかあの小宮さんの白衣姿っていうかね…(モニターに映っている)
小宮:はははは(笑)あ、あれファンデーション塗ってないときです!(笑)
朝岡:あれ塗ってない、これ(モニター)塗ってない時ですね。塗ってる時は、今こっちの方が塗ってる。
小宮:もう全て隠されてる。
朝岡:いやいや、でもあんまり差はないですよね!
石田:えぇ、変わらないです。
小宮:いや、さっきお手洗いでびっくりしました!
朝岡:え?
小宮:もう全然こう…ないですね。シミから何から(笑)
石田:ぃえええええええ(笑)
小宮:ファンデーションに感激しました!
朝岡:あぁー。いやいやいやいや。
石田:そんなことないです。でも、ほんとに!昨日もほんとにびっくりしたんです。それだけやっぱりインナービューティーというか…
小宮:そうですね、内側から。
朝岡:内側から!
石田:内側から綺麗になる。
小宮:で、副作用とかもないです。
朝岡:副作用もない。そこはまた安心ですけど。
この、なんですか、秘薬というのは、これは…
もう大正3年から全く変わってない…
朝岡:大正3年ですよね!大正3年から創業時から変わってない秘薬!
小宮:全くこの機械も変わってない。
朝岡:あっ、この機械も!このね、ここにこのほら分かります?
石田:えぇ、あっ、右から…
朝岡:書いてあるんだけど、これがね、いかにも大正3年っぽいって言っちゃなんですがね(笑)
小宮:すみません(笑)
朝岡:東京駅が出来たのが、確か大正3年ですからね、煉瓦造りの。
小宮:じゃあ、同じ時です。
朝岡:あら、この大正時代を感じさせる、全くその何かね…
小宮:手を加えていないですね。
朝岡:手を加えていないですもんね。
この秘薬をもともとお作りになったのは?
4代前の福岡利三になります。
石田:と、仰いますと?
小宮:はい。私の曾祖父。
朝岡:曾おじいちゃま?
小宮:はい。
朝岡:曾おじいちゃまが創業者?
小宮:そうですね。
朝岡:はぁー!で、そもそもこの秘薬を使っての温灸院をおつくりになったきっかけというか、動機というのはどのようなものなんですか?
小宮:はい。1代目の利三は産婦人科医でした。で、不妊の方がその当時多いんですけど、今みたいにクリニックとかそういうのもないですし、で、そういう方を、来院される方を診て、胃下垂の方が多いかなっていうのに着目しまして。
朝岡:胃が下がっちゃってるから?えぇえぇえぇえぇ。
小宮:で、子宮とか腸とかを圧迫して、そのこう子どもを妊娠する環境がちょっとあれなのかなっていうことで、どうしたら胃を持ち上げられるだろうっていうことで、色々考えたのがこの機械だった。
朝岡:お腹をあっためたらいいんじゃないかと。秘薬と共にね。
小宮:はい。そしたら、案外と男の人でも胃下垂の人が多かったので、女の人だけじゃなくて、男女問わず。
朝岡:効果が見えてきたということで。
小宮:期待できるような治療なのかなということで。
朝岡:初代の曾おじいちゃまは、産婦人科医と仰っていましたが、当然、その当時の博士号をお持ちでいらっしゃったと伺っていますが。
小宮:はい。その当時なので、ほんとに古い古い証書だったんですけど。
石田:えぇえぇ。
朝岡:そうですか。それは博士か大臣かっていう方ですからね!
小宮:いえいえいえ(笑)
石田:まぁそうやって、その不妊に悩む方ですとか、色んな方が通われると思うんですけども、特にこう印象深いお客様、どういう方がいらっしゃいました?
小宮:いや、やはりその当時、40kgないぐらいの方が男の方でも多かったんですけど、
朝岡:体重がね。
小宮:はい。やっぱり昭和初期とかですからね。その方たちがやっぱりこの温灸によって、もう15kg・20kgしっかりとこうバランス良くって言うんですか、身体がつくれていくような方が多くなったので。
朝岡:ふーん。それは今もそういう体重がちゃんと増えていく方とか?
小宮:今もそうですね。健康維持の方もいらっしゃるので、健康維持したい方は、そんな食事食べないように。太りたい方は、温灸したあとしっかり食事の量をとるように。
朝岡:食べて?
小宮:はい。
朝岡:あぁ、そうですか。
ここからは、各テーマを元に、東京温灸院の4代目 小宮由希子の言葉から、長寿の知恵に迫る…。
最初のテーマは、「創業の精神」
創業から現在に至るまでの経緯、先代達から受け継がれてきた想いに迫る!
それでは、東京温灸院さんの家訓や理念を伺えますでしょうか?
小宮:はい。特に家訓とかそういうのはないんですけれども、常に患者さんの立場になり、悩みなりを聞いて、やはりそれに対応できるようにっていうことは常々言われてました。
朝岡:今、社員というのは何人くらいいらっしゃるんですか?
小宮:今は7人です。
朝岡:あっ、7人。そしたら、もうほとんどなんか家族と言ってもいいぐらいのね!規模というか。
小宮:そうですね。皆さんもう長いので。
朝岡:うん。そのへんは、じゃあその理念、今仰ったようなことというのは、普段から直接こう浸透させていらっしゃるということですね。
小宮:そうですね。はい。
朝岡:あぁー、でも、これ100年を超える歴史をお持ちだと、創業時と今と、或いはその第二次世界大戦の直後とかね、色々社会の情勢によって、お客様の数なんかも変わってきたんじゃないですか?
小宮:そうですね。やはり、いい時悪い時ありまして、35年くらい前ですか、やはりこのもぐさの…煙の量がすごいので、やはりその今煙突をつけたんですけれど、35年より前は煙突がなかったので、
朝岡:あのさっきのおへその上の焼肉屋さんの煙集める傘…機械みたいなの、あれなかったの?
小宮:あれなくて、で、60人くらいが一斉につけちゃうと目も痛くなるし、髪の毛・洋服にも匂いが…
朝岡:もぐさのね。
小宮:えぇ。で、帰りの電車で白い目で嫌がられて、もう来れないみたいな話が多かったんで、それで、あの煙突を作って、それぞれそのベッドの上に。で、外に出すように。そしたらやはり、戻ってきてくださる方が。
石田:その煙突っていうのは、画期的な発明だったんじゃないですか?
小宮:そうですね。もう必死だったと思います。みんな匂いが嫌だっていうけど、匂いは抑えられないので、どうしたらこれをっていうんで、その当時焼肉屋さんにもこういうのなかったんですけど、一生懸命考えて、
朝岡:極力ね、こう集中させてね。
小宮:上げたり下ろしたりするようにして。で、手作業で。その当時は作っていたと。
朝岡:そうですか。あと、以前は、当時昭和の始めなんかだと、男性で体重を増やしたいというお客様がいらっしゃったというお話でしたけど、お客様の層というのは、どんなような方がいらっしゃってる、変化はありましたか?
小宮:やはり昔は20歳前後の方が多かったですね。やっぱり1日働けないぐらい体力のない男の方が結構いらして、で、あとはやっぱり不妊で悩んでる女性ですね。
で、今は健康維持をメインにしてる患者さんが多いですね。
あぁー、治療そのものというよりも、健康維持を。
小宮:病気を未然に防ぐ
朝岡:あっ、予防を兼ねて!
小宮:予防を兼ねて、普段から手入れしてる、腸の調子を良くしたいっていう考えの方が多くなってきました。
朝岡:お腹はね、冷やしちゃいけないよって子どもの頃からよく言われるけど、
石田:言われました。
朝岡:こうやってあっためると如実にね、変化って、良い方に変化することってあるんでしょうね。
小宮:そうですねー。
石田:そして、その中でも、その秘薬というのが、やはり・・・
朝岡:ここですよねー!
石田:ポイントのようですよね!
小宮:この赤いのです。
朝岡:この秘薬!
石田:こちらの作り方っていうのは、ちなみに・・・
小宮:これは、もうあの・・・ラーメン屋さんの秘伝のタレと一緒で・・・
石田:えぇ。
小宮:これはもうちょっと・・・受け継がれてきたものなので・・・
石田:はい。
小宮:・・・はい。
石田:その作り方は、どなたが知ってらっしゃるんですか?
小宮:私がやってます。
石田:あっ、そうですか。
朝岡:その代々の社長だけしか知らない?
小宮:だけしか知らない!
朝岡:所謂、門外不悉という形で。
小宮:そうです!
石田:へぇー!あっ、じゃあもう「次はあなたです」って言われた時に、それを教わる感じですか?
小宮:それを渡す感じです。
朝岡:そういう話聞くと何かほんとに秘薬っていうかさ何か…(秘薬の匂いを嗅ぐ)これ自体はあんまり香りはないんですね?
小宮:香りはこのもぐさしかないですね。
朝岡:はぁー。この秘薬のねー。そうですかー。なるほどねー。
温灸院の家…温灸っていうのはしかし、やっぱりこれはお家じゃなかなか…お灸はね、お家でやってもらうっていう伝統がありましたけど。これは家では、例えばこれだけ持って行って、この布も買って、これ自分のベッドで、畳とかお布団の上でこうやったりするってことは難しいんですか、やっぱり。
家だと、もうすごい煙で。
朝岡:あっ、やっぱりね!
小宮:隣・近所から、多分苦情がすごいと思います!
朝岡:秋刀魚のね、七輪で秋刀魚を焼くと美味しいんだけど、
石田:あははは(笑)
小宮:それどころじゃないですね(笑)
朝岡:あと、くさやなんかを焼くと、文句言われたりするでしょ?最近マンションだったりするとね!
石田:隣にはね、怒られてしまいますよね(笑)
朝岡:あぁ、そうかそうか。そういうことなんですね。でも、そういう何か、いや、個人の家じゃ今難しいです!って言い切れるもんがあるっていうのが、この伝統のなんていうか東京温灸院さんですよ!
小宮:だから、名古屋とか関西の方は、1週間泊まりでいらして、で、1週間治療して
朝岡:通われて?
小宮:はい。っていう方も中にはいらっしゃいます。/p> 朝岡:
へぇー、そうですか。はい。
今回のゲストは、東京温灸院 4代目代表 小宮由希子(こみやゆきこ)。
1914年創業、曾祖父福岡利三が発明した温灸物理療法は、如何に健康を保ち続けるか。
病気になる前に、病気になりにくい体を作るという想いと共に、歴史と信頼を積み上げてきた。
その結果、海外からも注目を集め、唯一無二の秘薬・知恵を伝承し続け、現在も、多くの人の健康作りの手助けをしているのだ。
今回は、そんな東京温灸院の4代目 小宮由希子の言葉から
創業者の想い、語り継がれてきた先代達の決断と苦悩、歴史の中に隠された物語
東京温灸院の持つ、長寿企業の知恵に迫る!