銀座 菊廼舎
貢献 ~地域、業界との絆~
ところで今、菊廼舎さんで地域貢献活動、社会貢献活動などされていることはありますか?
井田:葛西に工場がありまして、葛西のそばに知的障害者の生徒さん預かってる学校があるんですけれども、そういう学校から依頼されて、職場の体験というか、社会貢献させてくださいっていうのが、年に何回かあるんですけど、そういうのは大いに、みんなでやれることはやっていこうよと。
世の中に少しでも、小さな会社だけれども、やれることはやろうということで受け入れてますし、その近所の学校さんにも、ちょうど4月くらいに新しい生徒さん入ったときには、紅白のおまんじゅう出してあげたりとか、和菓子屋でしか出来ない些細なことなんですけど、そういうことでも喜んでも頂いてね、ありがたいですよね。
そういった地域のつながりとか、地域の人との交流みたいなものって言うのは、100年、それからずっと長く続いていくうえで、企業にとっては大事なことだとお考えですか?
井田:もちろんそうです。それがなくなっちゃったら、社会への貢献、っていうことがなくなっちゃったら、意味が無いですし、一番大事にしなきゃいけないなと思っているのは、社員ですよね。
社員がやっぱりハッピーな会社じゃなかったら、何のための会社なんだということですよね。だから、あまりできなかったけれども…小さな会社だから給料なんか、ささやかなものしか出せないんだけれども、やっぱり少しずつ、そういう、社員なんかも喜んでもらえるような会社にならないと、やっぱりお客さんにも喜んでもらえないですし、そういうのがやっと50過ぎてぐらいからわかってきましたね。
やっぱり会社自体もね、長く続いていく中で出来上がっていく伝統あるけど、社長というお仕事も、ある程度の年代の積み重ねでお分かりになってくるってことも多いんですね。
井田:やっぱり、ある面では辛い面って、あるんですよ、孤独だし、決断しなきゃいけないこともあるし。それはね、それの判断ていうのがなかなか難しいしね、よく失敗もしました。でも、まぁなんとか会社も残ってるので、有り難いなと思って続けています。
石田:ところで、今、井田さん4代目と仰いましたけど、こう代々受け継がれている、例えば書物ですとか、何かあったりしますか?
井田:書物とかってのはないですけど、先代…先々代くらいが使っていたお菓子を作る木の型だとか、ああいうのは歴史の中で一生懸命代々伝わってきたものだなと思って、こういうのはやっぱり大事にしてますよね。
地域や業界との絆。長寿企業が行っている、地域貢献。そして、業界で行っている取り組み。そこに隠された想いとは。