片倉工業 株式会社
NEXT100 ~時代を超える術~
最後に次の100年に向けて変えるべきもの変えないもの、会社にとってコアになる部分を教えていただけますか。
佐野:創業以来の「信義誠実・親和協力」、この二つの社風でございます。そして、多角経営の基礎になった祖業である「シルク」への思いです。
朝岡:100年越えている長寿企業ですからね。200年というのもそう遠くない将来な気がしますけど、佐野さんその100年後の後継者には、これはぜひ伝えておきたいということがあれば伺いたいんですけれども。
佐野:100年後となりますと創業250年を視野に入れる時代になります。創業以来の「信義誠実・親和協力」、この二つの言葉をですね、この社風は引き継がれてその後も持続的な成長が続くことを伝えるような形にしたいですね。
朝岡:長寿企業というのは100年を越えると次は200年、もっと先ということになってくるんですけど、佐野さんが個人的にお考えな長寿企業に共通する必要なエッセンスというか大事なことっていうのはなんだと思いますか。
佐野:
風通しの良い職場だと思っております。もともとは先代社長から引き継いだランチミーティングですけどね、これは私が社長の間はぜひ引き継いで継続してやっていきたいと思っております。現在は週に一度課長職を集めて、業務後にミーティングをしています。ほんのちょっとお酒入れながらなんですけど、うまくいっている課長、なかなか自分が思っているより先に行けない課長とありますね。同じ部の中ではなくて、仕事が離れた管理部門だったり、現場の部門であったりそういう人たちを織り交ぜてミーティングしてますと、新しくもらった知恵がわいてきますよね。そういった知恵が活かせるように、私が間に入ってしゃべりすぎないようにしています(笑)。それを続けていきたいと思ってますね。社員一人一人が何を考えてどういう行動をしようとして行動しているのかってことが、私からまた冒頭の人間が感じ取れるような会社にしたいと思っておりますね。
現在も使われてるんですか?この商標は。
佐野:はい。社章にも使われておりまして。
朝岡:(資料を見て)これですね。
佐野:社章の場合は周りが生糸の枷糸と言って縒った糸をですね、これで丸二十を囲んでおりますけど、そういったいくつかの“縦の糸と横の糸を結ぶ”という片倉の精神にも基づいているわけですね。
朝岡:縦の糸と横の糸を結ぶ。なるほどね。これすごいデザインですね。貴重なものをありがとうございます。
石田:優れたデザイン…どなたが考えたんですか。
朝岡:片倉工業デザイン部ってのがあるんじゃないですか。
佐野:当時は工場ごとにこういったデザインを起こしてましたので、工場長の威信をかけてやっていたんだと思うんですよね。工場長ごとの。
朝岡:なるほど。文化も持ってますね。
片倉工業、佐野 公哉
「信義誠実・親和協力」
創業から代々受け継がれているこの想いと共に、
時代やお客様の変化に合わせて、事業を行っていけるように、
「新たな知恵」が生まれる環境を作っていってほしい。
この想いは百年先の経営者達にも受け継がれていくだろう。
NEXT100、時代を超える術。
革新を続け、100年先にも継承すべき、核となるモノ・・・。