Story ~長寿企業の知恵~ 「 決断 」
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森下仁丹 株式会社
決断 ~ターニングポイント~

ナレーション

続いてのテーマは「決断 ターニングポイント」
会社の発展と共に訪れた過去の苦難、それらを乗り越えるべく先代達が下した決断に迫る。

駒村:いっぱいそのポイントはあったと思うんですけども、まずね、口幅ったいんだけど、僕が入社したことは確かに最初のターニングポイントだった。で、その後に、「これ!」って言えるターニングポイントはまだ出てないです。むしろ、最初に決めた方向性をずっとなぞってその方向で来てるんで。
ただ、やっぱそろそろ、今言ったミッションは守りつつやってるんですけど、ビジョンをね、作る段階になって来たら、僕は10年間くらい社長やってますけど、この数年間で相当価値観ね、世の中の価値観が変わってるんでね、このビジョンってやっぱり、次にこの会社・企業を引き継ぐ人たちが作っていくべきかなって僕は思ってますけどね。

〈入社当時の現状〉
駒村:僕はやり甲斐あると思った。おお、きた!っていう感じね。
執行役員って経営企画の責任者っていうことであります。まず、自分たちのポジションね、会社の。言った言葉は、みんな“茹でガエル”ある。これ結構前から言ってる話なんで、旧聞でもう古いんですけどね。「会社は、まぁ存在しなくても困る人はいないね」と。「あの状況では。だからもうレッドカードが出てると。イエローカードじゃなくてね。まずそっからスタートよ。じゃあどうするかってことを考える。さぁ、どうしましょう?」これが当初のよく言ってた言葉です。
だから組織の整備なんてね、してません。要するに人の意識を変えること。それから、所謂、年功序列を極端にはやってないんだけど、少し逆の方向に持っていくとかね、ということで、まぁみなさんにちょっと気付いてもらう、これだけ会社って大変なんだよって、これをやんないと生きていけないってことを気づいてもらうっていうのが最初に仕事だったですね。

〈森下雄司が語る「駒村純一の印象」〉
森下:最初お話したときは、僕の印象は穏やかな印象でしたね。その実際にいろんなこと考えて、おっきく変えていこうっていうところに向けた準備っていうか。なので、急に一気にやったって言うよりは、着々といろんなことに着手されてましたし、それを一個ずつやろうというタイミングだったと思うんで。
それから、ただ、さっきおっしゃった“茹でガエル”っていうのは、やっぱり非常にわかりやすい表現が、グツグツ煮えたぎってるのに全然気づかないというか、それは自分たちが気づかないとですね、このままじゃまずいっていう風になりませんし、組織変えたり人を変えただけでは、変わらないんだろうなと思いますから、そこを社長のと話を聞いて、やっぱりな、そうだなって感じることは非常に多かったですね。

駒村:1〜2度、みんなで結託して追い出されかかったりね。それは、ただ彼が入ってくる前で、僕が社長になる前のちょっとその激動期のお話なんでね。ここはもう、それにめげず、たまたま創業家のね、理解をいただいてたんですよ。そういう意味でいうとね。やっぱ立て直しの時は、わけわかんないこと言ってとっくむような人っていうのは、これからね、やっぱりあんまり役に立ってもらえないという認識で僕も仕事やってましたから、結構その時点で、これはちょっとかなわないから撤退っていう人もいましたね。


~後継者への想い~
駒村:僕の前も2代続けて、創業家外からの就任だった。
だから、創業家から最後は、今の時点で20年以上経ってるかな。だから、外から入った人が僕も含めて、繋養してきたですね。
例えば、この会社ってのは上場会社だから、ある種公的な存在だと考えたときに、ステックホルダーがいっぱいいますよね。その人たちがハッピーになるためにどうするかって選択で、正直この2〜3年は悩みましたよ。どうしようか、誰がいいんだろうか。
でも、そこを経て見ると、これはいけるな!だったら体制をしっかり作れば、新体制が出来そうだっていう風に思って、はっきりそのこと言い出したのはここ最近です。

譲れないっていう部分については、強い口調で意見を言うし、それと、あるちょっとチェックを社員全体でやってみて、持ってるポテンシャルが、まぁどっちかと言うと「静」なんだけど、実際的にはそうでもないね。案外、攻めの要素もある。で、それの所謂スキルが結構備わってるなっていうのがわかってきた。だったらこれ大丈夫かな。
で、案外、今猫かぶってるっていうか大人しげにしてるけど、ひゅっと一皮むくと違う面も出て来そうになってる部分もありそうだな。