Story ~長寿企業の知恵~ 「 言魂 」
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株式会社 平凡社
言魂 ~心に刻む言葉と想い~

ナレーション

言魂。心に刻む言葉と想い。
強い想いと信念が込められた言葉には魂が宿る。
人の人生に大きな影響を与える。下中美都が家族や知人から受け取った言葉、そこに隠された想いとは。

下中:

私は、二代目の第二創業者と思っている下中邦彦。この人は「太陽」も作ったし、文化的地固めをした人なんですね。
平凡社と言った時に多少ちょっと文化的なイメージを持ってくださるというのはその2代目が作った頃なんですね。でも二代目は、下中邦彦は、やはりこれも、こうしろとは一言も言わないんですけど、背中で教えるっていうところがあって、彼の生き方を見ていると、それから私こうしろとは言わないけど、一つだけ言えば、「自分の頭で考えて、自分の言葉で話せ」ということを教わったと思います。
つまり、受け売りじゃない。石田さんがこう言ってたから私もこう思う、じゃないんです。お聞きした、その中から自分から出て来た言葉、それが自分の知恵だっていう、そういう風にしてきました。それは、自然とそうなった環境だったと思います。

朝岡:

スタイルがね、スタイルがこう学べるっていうのは良いですね。
言葉だけにしちゃうと、その言葉をどう解釈しようみたいなことになっちゃうんだけど、スタイルって言うのは、もう自分なりにこうなんだなって思って生きている糧にできますよね。

下中:

でも、朝岡さんもきっとそうだと思いますけど。

朝岡:

いや、私はね、今日は何か、下中社長から色々学ばされて(笑)なんか百科事典読んでるような気持ち(笑)

下中:

とんでもない。

石田:

良い授業を受けてる感じですよね。
ここで、今現在ですね、社長が心に留めてらっしゃる言葉はございますか?

下中:

私は、社長になる直前からもう誰も叱ってくれないんですよね。社長になったということは、つまり、物事の基準を作る人になることで、私が何かしない限り何も起こらないということになります。だから、ものすごく考えるようになりました。
考え続けるのが仕事だっていうようなことを思ったりとか、まぁこうした方がいいなってことを色々、あの、そうですね。まぁこういういつもこういう手帳を持っていて、

朝岡:

ご自分の手帳でいらっしゃる?

下中:

ええ。これ、だいたいそのこれが17冊目になってますけど、思いついたこと。ニュースで聞いて、今起こっているあの現象はこうすればいいんだとか、その自分から出て来た言葉をずっと書いています。
で、それをあのずっと書いて、時々こうやって打ち出して、自分でこうやって言葉。で、それを300くらい貯めて、時々読み返して、でもこれは自分の為のことなんで、自分がこれから更に判断していく時に、自分の為の自分を叱るみたいなとことがありますから、でも、そういうことをしないと、判断の基準を作る人ですから、私は。だから、その前にこう言ったことは、遺さないといけないですよね。だから、違うことを言ったらやっぱりいけないので。

だから、いくつも、そうですね…私が一番考えていることはですね…「社長は判断の基準を作る人」ってことですね。それから、「考え続けるのが仕事」。それからもう一つ挙げれば、「新しがりやと古がりや」出版社にはこの両方が必要なんですね。最先端とそもそもみたいな。
で、新しがりやの人って、もうそれこそ、もう新しいニュースがもう俺はも一刻も早くこれを知ってるっていう感じで、これも大事なんです。そういう真摯の気持ち。だけど、それはじゃあどっから来ていて、古本を見ながら、それはこういうことから来ているんだよって答える。っていうその幅が必要なんですね。
ですから、平凡社みたいなスタンダードを作る。つまり、知識の、知恵の基準を作ろうという出版社は両方が大事なんです。だけど、こっち(新しがりや)は、古がりやをあいつらな!って思うかもしれないし、古い方は、あいつら新しいこと言って!って。やっぱりそういうところのバランスを取るのが大事だと思います。

で、これは、結構難しいんです。やっぱりプライドをかけてみんなその仕事をしていますから。
だけど、そのために一人一人のさっきお昼に誘って、この人は今どの辺りにいるのかとても気を付けながら、それから、その人が困っているとこは何かとか、そういうことも聞きながら、またノートに書いたりとか、それを覚えていて、あの問題はどうなったかって、次にお昼を食べる時にまた聞たりとか、やっぱり言葉を遺しておかないと、やっぱ社長って、出版社の社長って出来ないなって思っています。

朝岡:

なるほどね。