Story ~長寿企業の知恵~ 「 貢献 」
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社会福祉法人 至誠学舎立川
貢献 ~地域、業界との絆~

ナレーション

地域や業界との絆。長寿企業にとって欠かせないもの。
それは、地域との関わり。
「至誠学舎立川」が行っている社会貢献活動、地域との取り組みとは?

石田:

地域や業界との絆ということで、まずは、地域で取り組んでらっしゃること、また、社会貢献活動などはございますでしょうか?

橋本:

はい。申しあげてきたように、福祉の仕事っていうのは社会と共にあるっていうのは、社会のニーズに合わせてってことだと思ってるんですね。で、そういう意味で言えば、ほんとに地域の課題、地域の生活課題、保育にしても高齢の問題にしても子どもの子育ての問題にしても。全てどの領域でもね、地域との関わりの中で仕事をしていくっていうね、すごく大事にしているし、そのものだと思っています、私ども活動のね。
だから、いつも法人全体で言うとですね、年間で延べで言うと2万人くらいの方がボランティア活動で入ってくださってるんですよね。

朝岡:

ほぉー!

橋本:

それは非常に大事なことだと思っているんです。専門職が専門家としてやるだけじゃなくてですね、地域と共にあって、そして地域の方に取り組んでるっていうところだと思うんですね。だからね、高齢施設なんかを見てても、昔ボランティアさんだっった方もたくさん入居してたりね、サービスを受けられてたりね。

朝岡:

あっ、そういうね、なるほどね!

橋本:

職員でもね、同じ様なことが言えるんですよね。元職員なんかも利用者になってたり、みんなのふるさと至誠ホーム。至誠学舎っていうんですけどね(笑)そんなことがありますよね。
だから昔はね、社会福祉を使うなんていうのはね、やっぱり社会から落ちちゃった人で、なるべくそういうことは目を反らせていこうっていうことだったかもしれないけど。今はそういうことじゃなくて、やっぱり地域の生活ね、どうやって続けていかれるのか、地域支えていくって。施設もそうであるし、また住民の方々もそんな形でたくさん関わってくださって、それが非常に重要な、非常にこうプリミティブな感じですけども、ポイントだと思ってはいるんですね。

朝岡:

うむしろその地域との関わりというか、それがその至誠学舎さんにとってはとても大事な業務の一体となってるということですよね。

橋本:

そのものですね。だから公益事業だとかですね、それから行政との関わり、或いは、社会・衆議会との関わりもですね、そういう意味で大事なことで、共に取り組んでるっていうような感じがありましょうか。行政との関係も同じですしね、行政も支援を受けながらでありますし、かと言って我々はやっぱり法人…主体的なね、活動・取り組みをしている。まぁたくさん色んな事がありますけれども。
あと、業界っていうかそれでいうとですね、私、今日本では、介護職とソーシャルワーカーの国家資格があるんです。

石田:

はいはい。

橋本:

で、私もそんなことで、資格…社会福祉士といいますけれど、資格が出てきた時に、自分も取得して、で、組織を作っていく努力をして、1994年ですか、その全国組織の会長になってですね、日本社会福祉士会と言いますけれど、それから1998年まで会長をしましたかね。そんなんで、全国で4万人くらいの組織に育ってきてるんですよね。ソーシャルワーカー、働いてる場所はもう社会福祉全般、どこででもですけど。
今私が取り組んでいるのは、その専門的なケア…働きが出来る社会福祉ということで、認定社会福祉制度ってものが私ども作りましてですね、その仕事もしたりしてます。
そんなことで、社会福祉士、ソーシャルワークが社会を支えるですね、役割を果たしていく、それを担う人たち、その方々をね、何とか手を組んで一生懸命やっていこうとそんな努力をしているところですね。

石田:

実は私も祖母がおりまして、90なんですけれども。母が介護しきれなくて、もうそのデイホームだったりにお世話になってるんですけども、本当に大変なお仕事だと思うんですね。その中で、社会福祉事業のやりがい・ここが魅力っていうのはどういったところでしょうか?

橋本:

そうですね。実は私の父もですね、もう9年前に亡くなりましたけど、特養に入居したんですけどね。
で、その時に職員が言ったのはね、ほんとに…父も4代目理事長だったんですけども。利用してもらってねお世話出来ることを嬉しく思うって言ってね。で、面白いもんで、なかなか家庭で難しかったんだけども、ホームを利用したらすごく落ち着いていてですね、で、職員にも「ありがとね」って言ってくれて、それがすごく私は助かったんですけれども。
職員の方々、まぁ介護の仕事、社会福祉の仕事、大変な仕事です。まぁその他の仕事と比べてどっちが大変かって話はないんだけれども、ある種、感情労働ですから、自分のね、ある種、人間性を踏まえた上での仕事になっていくから、やっぱりストレスの強いところもあるし、一方で人と関わる仕事でありますから、上手くはまると歓びも大きいんですよね、大変だけれども。うん。だからそれは職員たちが言う言葉です。この仕事はとってもいい仕事だって。人間として学んでいける仕事だってことをすごく言うんですね。専門職であるけれども、ある種そういうね、人間の基本のところに共鳴し合える。で、利用者の方やご家族からありがとうって言ってもらって笑顔をかけられるととっても嬉しい。っていうことを言います。それはとっても大事なことだと思うんですね。
ただ今どんどんどんどん需要が広がってるけれどもね。この介護に関わる人、ソーシャルワークに関わる人がなかなか入ってくれないっていうね。その悩みは大きいものがあるんですね。まぁなんとか…こんないい仕事、大変だけれどもいい仕事。それをもっとこう社会に訴えていきたいなと、そしてたくさんの人にきてもらいたいなと思っているんですけどもね。

(石田さんの)おばあちゃんは楽しまれていますか?デイサービスで。

石田:

はい。ほんとにこう歌を唄ったりですとか、あとその保育園も近くにあるんですね。子どもたちとも一緒にふれあえるっていうふうに伺ってまして、それがすごく楽しいと。

橋本:

やっぱり関わりってすごく大事で、

石田:

えぇ!

橋本:

世代を越えた関わり、とても大事ですね。もう一つはやっぱり地域の中だってことなんですよね。

朝岡:

そっかー。ねぇー!

石田:

さて、それではですね、その想いや言葉以外に、先代やご家族から受け継がれたものを伺いたいと思いますけれども、今、そちらにご用意頂いたのは…?

橋本:

そうですね、まぁ、どんなことがあるかな?て言えばね、色んなことがあります。実は戦前には、皇室から御支援頂いた記念のものがあったりすえうんですが、それはそれとしてですね、基本的にこういう人間のお世話をしていて、最後は亡くなるところまでのお世話なんですよね。だけれども本当のお世話は、亡くなったあとまで続くお世話なんですよね。それは何かっていうと、私どもにとって納骨堂があるんですけれども、これ、非常に(写真を差し出す)

朝岡:

これ、こちらの?「終の棲家」

橋本:

で、これはですね、貧しい時代に、両親が仕事をしてた時代に、やっぱりお墓を持っていない人、家族がいない方がたくさんいて、納骨堂が欲しいという希望がたくさんあって、ずーっと努力していって、今から40年程前に出来たんですけれども。ここをお墓がない方はもちろんですけども、あっても自分が死んでしまうともう無縁になってしまう方もいます。だから、ご自身が分かってるうちにご自分のお墓を墓じまいって言いますね、閉めてここを利用して、最後ここを利用する方もあったりですね。最終的にね、ここで最後まで、住んでもご縁でいられるっていうね。これを作ってもらって、伝え手いくことはとても有り難かったしこれからも大事にしていきたいなとそんな風に思っています。

朝岡:

なるほど。正にほんとに終の棲家ですね。

橋本:

そうなんです。

朝岡:

はぁーそうですか。

橋本:

だからうちの仕事は0歳からで、実は100何歳っていうその何人も100歳超えている方いるんですけど、そこで終わらないで、お祀りのところまでいくんですよ。

朝岡:

その先までね!それは受け継がれていくってことですよね!

橋本:

今風な言葉で言うと、“トータルケア”って言うんですよね。

一同:

朝岡:

まさにトータルですよね(笑)

石田:

そうですね(笑)

朝岡:

そうだよなー!そうですかーはっはーなるほどね!