続いては「言魂」ということで、幼いころ先代や祖父母から言われた印象的な言葉、そこに隠された想いを伺いたいと思います。石田さんはどなたかに言われて印象的だった言葉はありますか?
4代前の社長から「事実が一番重い」と言われたことが印象に残っています。おそらく経済報道のある局面で何かコンフリクトがあったんだと思うんですけど、その時に「とにかく事実が一番重いんだ」と繰り返し言われたことを覚えています。ジャーナリストとしては当たり前の話。彼はジャーナリストとしてキャリアを積んでった人なので。その時私自身はジャーナリズムとしてもそうだし、その後ビジネスをおこなう上でも、マーケットを見るだとか、世の中で起きてること、あるいは自分の仕事において何がファクトなのかということを大事にしていかなきゃいけないなと繰り返し思います。今日においても人間というのは見たい事実を見たがる部分があるので。こうあって欲しいとかこうあるべきだという事実を見たがるので。事実って何なんですか、お客さんって誰なんですか、今何考えてますか、お客さんがどう動いていますかとか、そういうマーケットの味方が中心になると思うんですが、ファクトが重いということを繰り返し自問自答しながらですね。
100年をこえる歴史をお持ちなので、実際に石田さんが聞いた言葉以外にも、歴代の社長とか、そういう方々の言葉で心に残っているものがあれば伺いたいのですが。
過去を振り返ると創業の理念に突き当たるんですけども、ファクトを一番表しているのは数字なんだということがダイヤモンド社の原点にあるとすれば、事実を大事にする、その事実を表してるのは数字なんだと。最終的にものを伝えるのは主観が大事なんですけど、その前提として客観的に物事をとらえる目というのを持っていないと、意思決定が歪んでくる。あるいは伝える中身が歪みかねない。そこを自戒しないといけないなというのが一つあります。もう一つは先代の社長に言われた「この会社には人はいると思う」という言葉で。それは今から12,13年前なんですけど、うちの会社の業績が非常に厳しくて。その厳しいタイミングで先代の社長が社長に就任すると。つまり会社の立て直しを使命として就任されたわけなんですけど。その彼は10年かけて立て直すんですね。私が3年ほど前に総合企画室という経営企画を見る部署にいた時に、過去の業績をレビューすることがあって。その社長と一対一でレビューしている時に、「十数年前、財務的にひどい数字の時に、よくこの会社を立て直そうと思いましたね。何を根拠にこの会社を立て直せると思ったんですか?」と訪ねた時にしばらく考えて「この会社には人はいると思ったんだよな」とおっしゃられて。それが深く私の心の中に残っていて。人が会社を立て直していくんだと。人を信頼すること、人を大事にすることで会社って生き返っていくんだということを凄く実感した。その部分に関しては大事にしていきたいなという風に思います。
その人材を育てるために取り組まれていることは?
私が取り組んでいることはそんなに大きいことではなくて、現場が仕事をしやすい形をどうつくっていくかということと、現場になるべく任せていくことかなと思ってます。今現場が第一の会社であると思いますし、そうあるべきかなと思います。
そうはおっしゃっても、社長というのは上から全部見えますからね、ご自身も生え抜きの社員としてやってきた経験があると。そんな時、ちょっと言いたいなとか。
ありますね。
ね?それをどう我慢するかが大事なポイントのような気がしますが、どうですか?
実際には担当役員になった頃から現場には口出してないですね。特にものづくりの現場には口は出してないです。ビジネスの形を整えるとか、部門間の調整をするとか、あるいは人事的な施策を展開するということについての仕事はしていますが、コンテンツそのものに口を出すことはほとんど無いですね。全て読んでますよ。ライバル社のものも含めて関連するものは読んでるんですけど、ものづくりの現場に口を出すことはないね。そこはなぜかな、自戒してるんですかね。口を出すべきではないと思ってるんですね。
素晴らしいですね。
素晴らしくはないです。
ものづくりってなかなか難しい時がありますよ。石田さんは昔から心がけてらっしゃるというのがとても素晴らしいと思いました。
会社の文化として根付いてると思います。石山賢吉自身が生涯一記者みたいな人だったんですよ。自分は記者として書いてく。それはそれで良いんですけど。私が編集長の時も経営者が力で何かを要求してくる事は無かったですし、自分が編集長の時に何か違う要因で強制されることがあるのはほとんど無かったですけど、もしあれば不快だと思うので、ものをつくる力を阻害すると思うので。口は出してないと思います。
続いては「言魂」ということで、幼いころ先代や祖父母から言われた印象的な言葉、そこに隠された想いを伺いたいと思います。石田さんはどなたかに言われて印象的だった言葉はありますか?
石田:4代前の社長から「事実が一番重い」と言われたことが印象に残っています。おそらく経済報道のある局面で何かコンフリクトがあったんだと思うんですけど、その時に「とにかく事実が一番重いんだ」と繰り返し言われたことを覚えています。ジャーナリストとしては当たり前の話。
朝岡:彼はジャーナリストとしてキャリアを積んでった人なので。その時私自身はジャーナリズムとしてもそうだし、その後ビジネスをおこなう上でも、マーケットを見るだとか、世の中で起きてること、あるいは自分の仕事において何がファクトなのかということを大事にしていかなきゃいけないなと繰り返し思います。
今日においても人間というのは見たい事実を見たがる部分があるので。こうあって欲しいとかこうあるべきだという事実を見たがるので。事実って何なんですか、お客さんって誰なんですか、今何考えてますか、お客さんがどう動いていますかとか、そういうマーケットの味方が中心になると思うんですが、ファクトが重いということを繰り返し自問自答しながらですね。
100年をこえる歴史をお持ちなので、実際に石田さんが聞いた言葉以外にも、歴代の社長とか、そういう方々の言葉で心に残っているものがあれば伺いたいのですが。
石田:過去を振り返ると創業の理念に突き当たるんですけども、ファクトを一番表しているのは数字なんだということがダイヤモンド社の原点にあるとすれば、事実を大事にする、その事実を表してるのは数字なんだと。最終的にものを伝えるのは主観が大事なんですけど、その前提として客観的に物事をとらえる目というのを持っていないと、意思決定が歪んでくる。あるいは伝える中身が歪みかねない。そこを自戒しないといけないなというのが一つあります。
石田:もう一つは先代の社長に言われた「この会社には人はいると思う」という言葉で。それは今から12,13年前なんですけど、うちの会社の業績が非常に厳しくて。その厳しいタイミングで先代の社長が社長に就任すると。つまり会社の立て直しを使命として就任されたわけなんですけど。その彼は10年かけて立て直すんですね。
私が3年ほど前に総合企画室という経営企画を見る部署にいた時に、過去の業績をレビューすることがあって。その社長と一対一でレビューしている時に、「十数年前、財務的にひどい数字の時に、よくこの会社を立て直そうと思いましたね。何を根拠にこの会社を立て直せると思ったんですか?」と訪ねた時にしばらく考えて「この会社には人はいると思ったんだよな」とおっしゃられて。それが深く私の心の中に残っていて。
人が会社を立て直していくんだと。人を信頼すること、人を大事にすることで会社って生き返っていくんだということを凄く実感した。その部分に関しては大事にしていきたいなという風に思います。
その人材を育てるために取り組まれていることは?
石田:私が取り組んでいることはそんなに大きいことではなくて、現場が仕事をしやすい形をどうつくっていくかということと、現場になるべく任せていくことかなと思ってます。今現場が第一の会社であると思いますし、そうあるべきかなと思います。
朝岡:そうはおっしゃっても、社長というのは上から全部見えますからね、ご自身も生え抜きの社員としてやってきた経験があると。そんな時、ちょっと言いたいなとか。
石田:ありますね。
朝岡:ね?それをどう我慢するかが大事なポイントのような気がしますが、どうですか?
石田:実際には担当役員になった頃から現場には口出してないですね。特にものづくりの現場には口は出してないです。ビジネスの形を整えるとか、部門間の調整をするとか、あるいは人事的な施策を展開するということについての仕事はしていますが、コンテンツそのものに口を出すことはほとんど無いですね。
朝岡:全て読んでますよ。ライバル社のものも含めて関連するものは読んでるんですけど、ものづくりの現場に口を出すことはないね。そこはなぜかな、自戒してるんですかね。口を出すべきではないと思ってるんですね。
素晴らしいですね。
石田:素晴らしくはないです。
朝岡:ものづくりってなかなか難しい時がありますよ。石田さんは昔から心がけてらっしゃるというのがとても素晴らしいと思いました。
石田:会社の文化として根付いてると思います。石山賢吉自身が生涯一記者みたいな人だったんですよ。自分は記者として書いてく。それはそれで良いんですけど。私が編集長の時も経営者が力で何かを要求してくる事は無かったですし、自分が編集長の時に何か違う要因で強制されることがあるのはほとんど無かったですけど、もしあれば不快だと思うので、ものをつくる力を阻害すると思うので。口は出してないと思います。