株式会社 ちんや
NEXT100 ~時代を超える術~
これはもう美味しさ以外にないので、それ以外のことを考えちゃダメよっていうのがコアな部分になってくると思います。その美味しさとこの(「すき焼き思い出ストーリー」を指して)思い出が繋がるんだよと、美味しくなきゃ思い出にならないですしね。
朝岡:これから100年先ってことを考えてみるんですけどね、今135年というちんやさんの歴史を振り返ってみると明治時代になって牛肉を食べる文化が入ってきて、で始まって、ご馳走としてね日本独自の文化として、進んできた130年ちょっとだとおもうんですけれども、これから100年後というとすき焼きって食べ物はどんなまず存在であるのかなと想像なさいますか?
住吉:どうなってますかね。多少の変化は起きてくるんだと思います。けれども、そういうことよりも日本人の思い出に近いところにあるというポジションはそんなに奪われないんじゃないかなっとは思ったりしますね。
朝岡:日本の食べ物のね、和食って蕎麦があるでしょ?
石田:はい。
朝岡:蕎麦ってあれ一人で食べれるでしょ?
住吉:そういうことですね。
朝岡:すき焼きって一人でも食べられるんだけど、基本的には何人かで鍋つつくという。だからコミュニケーションが取れる文化ですよね。
住吉:そうですね。
朝岡:それは多分100年後も大事な要素としてすき焼きはあるんじゃないかと。
住吉:そこは残ってくんじゃないかなと思いますね。
朝岡:だからあと100年後のちんやさんの社長というか・・・幹部の方にはですね、これはちょっと言っておきたいねというようなことがあれば伺っておきたいんですけどね。
住吉:そうですね、お客様・・・お客様自体はそんなに肉についてお詳しいわけじゃないんですよね。で、こちらは詳しいのでやろうと思えば適当なことを言って売ることは可能だったりしますよね?それはダメで、昔から「安物買いの銭失い」って言いますけど銭失いさせない売り方、これは単純に安くするってわけじゃなくて、ハートの部分の価値であったり、価値観満足度ですよね。それをちゃんと提供できるような銭失いさせない肉っていうところを一つの商いの良心みたいなところですけど、それはやってかないとダメですっということは言っていきたいと思います。
逆にその安く売ると逆にいろいろなんでしょうね、上手いこと言って高く売ることもできたりしますよね。こちらが詳しくて。それは銭失いになっちゃうでしょ、それもダメよっていうことは言い続けて継承させていきたいと思いますね。
食べ物以外にもいろいろ老舗がね、多いエリアだと思うんですけど、老舗・・・長寿企業とはあえて言いませんけどね、老舗がずーっと続けていくのに大事なものっていうのは、実際そういう社長をおやりになっててどういうものだと思いますか?
住吉:そうですね・・・私の父は「親切」って言ってたんですよ。お客様に対して。それが若い頃はピンとこなくてですね。「親切」ってあるのかって。お客様に対して不親切って逆に言うと、それってどうやったらそうなるんだって、ちょっとよくわからなかったりしたんですけれども、それをいろいろ考えていったらちょうど先ほどの言いました「銭失いさせちゃダメ」っていうところにいくのかなって思いますね。
こちらは自分のやっている仕事に詳しいですから高く売ることはできなくはないけどそれってそれやったら不親切になっちゃう。どういう風に不親切かって言ったら銭失いさせちゃってるでしょっていう・・・それはダメっていうことを「親切」と父は言っていたのかなっていう・・・
普通の言葉すぎてわからなかったですね、昔の当時は。今だったらそういうことかなって自分なりに思うんですけれども。他のお店さんも何かしらそういう・・・うちの父は「親切」って言ってましたけれど、研究している方々は「お客思考」って言ったり「CS」って言ったり、それはそれでちょっと馴染みがない中で、たぶんおそらく似たようなことを考えているんですけど、ものもいい方なんですけど、私が最近言ってるのは「銭失いさせちゃだめなんじゃないの」っていう言い方が自分にとってはリアリティーあるんで行ってます。それぞれ言い方を考えていらっしゃるんですけどね、共通するのはその辺かなって。
すき焼き「ちんや」6代目代表 住吉史彦。
本当の財産はお金でも土地でもなくお客様との絆・思い出である。
美味しさ求める探究心。それ以外のことは考えてはいけない
この想いは100年先の後継者たちへ、受け継がれていく
NEXT100年、時代を超える術。
次の100年へ向け、革新を続ける中で、今朝にとって継承すべき変わらぬ「核」となるモノ・・・
6代目代表取締役 住吉史彦が語る次代へ届ける長寿企業の知恵とは。