AGC株式会社
言魂 ~心に刻む言葉と想い~
社長が心にとどめている言葉はありますか?
島村:ある部署の責任者になった頃、先輩が私に贈ってくれた言葉でアメリカの教育学者ウィリアムアーサーワードがこんなことを言っている「普通の教師はしゃべる。少しましな教師は教えようとする。優れた教師は自分でやってみせる。偉大な教師は人の心に灯をともす」これに私は非常に感銘を受けて、「教師」という言葉を、会社における「リーダー」という言葉に変えると、まさにこれは会社経営だなと。組織経営だなと思って。
それを7年前に贈ってくれた先輩には、感謝していますし、私の心の中の非常に大きな支えになっています。
リーダーという立場は、人の気持ちをそうだとさせる言葉や表現をいくつか引き出しの中にしまっておく必要がありますか?
島村:受け売りではいけないが、自分なりにそれを理解して、皆さんに話すことは、おそらく説得力が出てくるような気がします。
石田:何か、書き留めたりはされているんですか?
島村:恥ずかしいですが、ハッと気が付いたことを書くように、ノートに走り書きしているんですよ。こういうのを書いています。例えば、昨日の日経新聞に出てたことをちょろっと書いて、自分の思ったことをメモしておく。
朝岡:ただ人の言葉だけではなくて。
島村:ちょっと感想とか、おもしろいなと思うことを。例えばこれは、アメリカのデザイナーのピーターアーネルという人が、ブランドとは何なんだっていうことについて書いているんですが、「ブランドに流行はない。明確なメッセージを示せ。メッセージを統一して維持することだ」なんていうことをメモして、そうかそうかと記録している。
朝岡:これは、今3冊ありますが、いつから始めたんですか?
島村:6年ほど前からですね。なんでもかんでも書くということではなく、やっぱりハッと思ったことだけを書いているんです。
朝岡:読んでいてピッと思ったことを書きとめるわけですね。
島村:この中に、上司の改めるべき20の悪癖というのがあってね。これを、私が社長になった初日、全役員を集めて、全員に配りました。
・極度の負けず嫌い
・何かひと言価値を付け加えようとする
・「いや」、「しかし」、「でも」で話し始める
表紙がいいですね「チョットのこと」っていうのがね。これがまた洒落ている。
石田:そういった一つひとつが社長の性格になって、行動に変わっていくんですね。
島村:難しいことはわからないので、どうしても。
「言霊」心に刻む言葉と想い。強い想いと信念が込められた言葉には、魂が宿り、人の人生を変える力を秘めている。