Story ~長寿企業の知恵~ 「 創業の精神 」
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株式会社 秋葉牧場
オープニング・創業の精神 ~家訓や理念誕生の経緯~

ナレーション

今回のゲストは、株式会社秋葉牧場6代目代表 秋葉 良子。

創業は1887年。
初代、「秋葉せい」が、東京都江東区砂町に搾乳専業牧場として創業。

1937年、千葉県八千代市に移転し、
その後、「自分達が納得した乳製品を作り、お客様に直接届けたい」
という先代の秋葉博行と、その伴侶である秋葉良子、両名の強い想いは、
1987年に創業100周年記念事業として観光牧場「成田ゆめ牧場」を開設。
アイスクリームショップや関連グッズショップ、オートキャンプ場、レストランなど事業を展開し
「動物たちとのふれあい」「四季折々の草花」
「大地に触れる喜びを体感できる野菜の収穫」など
まさに「ゆめのような、体験を提供する宝庫」といえるのが成田ゆめ牧場なのだ。

創業から「牛乳一筋」。
製法にこだわり、生乳本来の味に近い牧場牛乳を提供し続け、
現在、商品の通信販売も行い、全国に「ゆめ」を届け続けている。

今回はそんな秋葉牧場の6代目 秋葉良子の言葉から、
受け継がれてきた物語、秋葉牧場の持つ長寿企業の知恵に迫る。

秋葉:

私共は株式会社秋葉牧場と本体はありまして、131年ですか。酪農の牧場と生産の牧場と観光部門の牧場事業を持っております。

観光牧場って言うと本当に観光牧場だけで、生産を伴っているというところはなかなか少ないんですね。で、うちは逆に酪農の生産事業がもう131年経ちます。観光はちょうど100周年の時に観光部門として主人と二人で立ち上げて、プラスしたものですからそこは同じ同業者としても違いはあるかなと思いますね。

そもそも観光牧場を起こした時点で先代の社長と、まあ主人ですけれども一緒に考えたのは“自然を大事にしたい”という基礎はすごくありまして。あまり電気類のたぐいの乗り物はやめようとか、要するに「汗をかいて遊ぼう!」って言うのが基本にありますね。
一番今小さなお子さんにも人気があるのは“芝そり”でしたり無料ですけれども、斜面をそりに乗って滑ったり。一番最初からあるのは“変形自転車”って言うのがありまして、タイヤが四角い自転車ですとか三角とか、二人三人乗りがあったりしまして、それを自分で漕いで汗をかかないと前に進まないっていうところで、主人と共にこれはうちにぴったりと思って作っていただきました。

うちは牛乳にこだわりまして、そもそも明治20年に酪農を起こしてそれからずーっと牛乳を搾ってやってきましたので、 “良しにつけ悪しきにつけ牛乳と共に生きてきた”というのが本音でしょうかね。
この牛乳をもっともっと皆さんにこのおいしさを伝えたいって言うのが本音でありまして、主人と一緒に直売という形でとりました。
うちの今の牧場観光含めて、生産も含めて、それから通販もありっていろいろありますけれども全部それぞれが繋げていきたいと。今うちのキーワードは“繋がる”ってことでして、遊びの中でもなんでこの遊びがあるのか、どうして電位類のものは置かないのかっていうのはちゃんと一つずつ理由づけて、すべてが繋がっているんだということを皆さんにお伝えしたいなという風に思ってます。
人間の本能に必ず必要なものだと思ってますし、よく申し上げるんですけれども“緑を通る風って違う”。都会のビルの中を通る風と、牧場の中の木々の中を通る風は全然柔らかさ違いますし、そこをもっともっと皆さんに感じてほしいと。“本能を呼び起こしてほしい”というところが本音ではございますね。


~酪農の現状と問題~
酪農業界は現実どんどん数が減ってまして、ご両親のその・・・高齢化とか後引き継ぐお子さんたちがサラリーマンになったり、牧場を継がないというケースが多くて、いまどんどん辞めていく方多いですよね。それは日本にとって、国にとってこれから先を考えるとものすごいマイナスだと思います。

確かに牧場って普通家族労働が多くて、お母さんがものすごく大変な思いをしていると。時間的にも労働力的にも。で、もっと何とかならないのかなって思ってたら、これだけ働くお母さん方はいないだろうって私はいつも尊敬の念を抱いておりますけれども。
もう少しここがもっと・・・こう酪農で働く女性がクローズアップされて、楽しい思いとか良い思いとかがもっとできたらなっていうのをいつも感じているんですけれども。

日本の酪農は小さいところが多いので、これがもっと集約されて大きくなるかもしれない。この先分かりませんけれども。一度辞めちゃうと牧場ってなかなか改めて作るってことが難しいんですよね。牛も赤ちゃんから育てるって言ったって何年かお乳は出ない。「じゃあ酪農どうするの?」っていったら餌代しかかからないのでそれはやっていくのはもう大変なことでして。そういうこと考えると会社が簡単につぶれるということは・・・なくなるって言うことは酪農業界に多い手も本当にすごくマイナスだと思いますね。

ナレーション

ここからは、テーマにそって、
「秋葉牧場」の持つ長寿企業の知恵に迫る。

最初のテーマは、「創業の精神」。
創業者の想いを紐解き、家訓や理念に込められた想いに迫る。

秋葉:

この131年継続したということに先祖に感謝してるということは第一に挙げたいと思います。先代の社長がよく申していたんですけれども、「長い継続で伝統が作られる」と。ですけど、同じことずーっと毎年毎年何十年と何百年とやってたんでは、時代が変わってくので、そこで淘汰されてしまうと。時代の変化に少しずつ変化もつけていくってことが継続する大きな要素になるんじゃないかなと思ってます。
変化をつけながらもこだわりは変えないっていうのは、伝統を残していくっていう一つの要素で、やっぱりそこはうちで言えば‟牛乳を離さないと“いうのが大きなこだわりになってますね。「おいしい牛乳を届けたい」っていう原点があって、そこが外れたらうちの事業はなくなるかなって思ってます。

秋葉牧場はもう歴史があるので、個人名でもありますけれども「秋葉」という姓ですので、ここはもうこれから先々すごく大事にしていきたいと心から思ってます。
“ゆめ牧場”は私と主人が興しましたので、極端に言うと後からできた子会社みたいなもので、観光って言うのは広告宣伝しますので、やっぱり間口が広くなり皆様から注目を浴びるってことは多々あるんですけれども、やっぱり私共は秋葉牧場が本体でゆめ牧場で皆様に知っていただいて来ていただいて、遊んでいただいてうちの牛乳の良さを知っていただくっていうところが一番肝心なところかなと思ってます。


〜理念の浸透〜
前の会社が遺された“クレド”といういろいろ書いてある文がありまして、それを毎日牧場では唱和してますし、日報も毎日メールで日報も書いてもらっているんですが、それも全社員が読めると。お互いの日報を。で、マイナスもプラスもお互いにちゃんと承知してプラスに持っていこうというのがうちの日報の在り方で、ただただ上の上司が見ればいいということではなくて全社員が共有するってことで高めていこうと思っております。

社員にもよく言うんですが、「人が思いつかないことをやれ、考えろ」と言ってます。
先代の社長もそうなんですが、うちは一度や二度の失敗は本当に問いません。で、私は主人に聞いたことがあるんですが「なんでそんなに失敗しているのに怒らないんだ」ってことを聞いたんですが、「失敗したことを怒ると二度と新しいことにトライしない」と「それは会社の損失だ」と「なので、失敗は責めない」と。
それを聞いた時に本当にハッとしましたよね。やっぱり怒ることよりも社員が意欲的に新しいことを見つけていこうっていう気持ちのほうが価値があるので自分から「○○する!」っていう仕事を見つけるってことがすごく大事だと思うので、今はもう次の代に移りつつあるのでそこを社員一人一人が責任をもって新しい自分の仕事を見つける、責任を持ってもらうっていうところに今移行しつつあります。