Story ~長寿企業の知恵~ 「 言魂 」
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株式会社 東京メガネ
言魂 ~心に刻む言葉と想い~

ナレーション

先代・家族から受け取った言葉、そして現在、自らが胸に刻む言葉とは。

石田:

続いては「言霊」ということで、幼い頃に、先代や祖父母から言われた印象的な言葉、そこに隠された想いを伺っていきたいと思います。

白山:

祖父と直接難しい話はしたことはないのですが、会社に残っている社訓は祖父が作ったものなのです。社訓を見て、祖父の人間性を思慮しますが、その中で、「大きな池で小さな魚となれ。小さな池で大きな魚となれ。」という一文があります。しかし、私は祖父の想いはこの言葉と裏腹なものだったと思います。鶏口牛後という別の言い方もあるように、小さな組織でトップになること。本当は、大きな社会でそれなりのプレゼンスを持ちたかった。実際にそれを目指していたのは間違いないのですね。そのために、自分の会社、あるいはメガネ業界という小さいものをまとめなくてはいけないという意味で、業界のリーダーとして、仕事を一生懸命努力されてきたのです。結果的に、東京メガネの白山、メガネ業界の白山として、大きな社会に対して、どのような職業奉仕をしているということを一生懸命伝えてきたと私は理解をしています。

朝岡:

ご自身が胸に刻んでいる言葉や格言などありますか。

白山:

2つあって、1つ目は“継続は力”です。メガネの仕事というのは、時代が変わっても、職人気質な部分があって、一朝一夕には会得できないです。確かに、技術面は進化して、非常に浅い経験でも高度なモノは作れるようになりましたが、例えば、接客するにあたって、お客様が何を求めているのか。快適に見て、快適に生活したいというところまで掘り下げていくと、非常に多岐にわたって、色々なご相談に乗らなくてはいけない。これは経験を積まなくてはできないことで、例えば、5年メガネの仕事をすれば5年、10年仕事をしたら10年、20年したら20年分の深いご相談に乗れる仕事なので、これは継続するしかないです。ですからお金で買えないです。どんなに優秀な人をヘッドハンティングしても、10年メガネ屋で働いた人の価値の方が高いのです。そのような意味で継続は非常に大事だと感じています。
もう1つは、事上(じじょう)磨錬(まれん)という言葉で、仕事と離れますが、私自身がせっかちなものですから、何でも自分の手でやってみたいということを正当化するいい言葉だなと思っています。実践あるのみ、行うという行為は必ず経験になるので、失敗しても次につながると考えています。まずはトライする。