Story ~長寿企業の知恵~ 「 言魂 」
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片倉工業 株式会社
言魂 ~心に刻む言葉と想い~

ナレーション

言魂。心に刻む、言葉と想い、強い想いと信念が込められた言葉には魂が宿り、
人の人生に大きな影響を与える。

佐野公哉が先代や家族、恩師から受け取った言葉、その裏に隠された想い・物語とは?

佐野:

私は大学を卒業して地元に帰らねければいけないという思いがありましたけど、本当は東京のこの場所で仕事をしたかったんですけれども。父に帰らなければいけないか確認しましたら、自分たちが、父は戦争末期の人ですので、若い時に戦争に行くことを考えたら日本国内にいて世の中の役に立つことができるのであれば、家を選ぶのではなくて、自分のやりたいことをやりなさいと。そう言われたことが、今片倉工業の中で仕事をさせてもらっているということで、父には感謝をしています。

朝岡:

なるほど。自分がやりたい方向に行けと、いうことですか。

佐野:

一般的によく使われることだと思うんですけど、農家の長男でしたからある意味では一族をまとめなければいけないという側面もありまして、そのことを大学時代もずっと心にどうしたらいいかという思いがありましたので、父がそういう風に言ってくれたことで吹っ切れて頑張れるようになったという感じですね。

朝岡:

そうですか。ご自身の環境からの体験ですと大きいですよね。

石田:

ところで、今現在社長の心に刻んでいる言葉はございますか。

佐野:

「進取果敢」という言葉でございます。四文字熟語でございますが、一貫してぶれないで貫こうと、これからも貫こうと思っております。

朝岡:

片倉家の家憲の一つにあった「進取」にとてもよく似ているわけですけれども前に進みながら新しいものを取り入れていくということがある種自分の生き方、会社の生き方ということは信念になっているわけですね。

佐野:

そうですね。

石田:

ところで、社長ご自身はですね、社長に就任されると思ってましたか。

佐野:

いえいえ、もう全然(笑)。常務の時に、次の社長ということでご指名を受けたときにですね、本当に驚いたくらいですから。それまで社長になるための帝王学を受けておりませんし、私はもともとサービス部門で、お客様に接する仕事をしてましたから、本部中枢の仕事っていうのは入ったのは50歳を過ぎた後でしたから、そういった点では本当に驚きました。

朝岡:

でもね、大体あれですよ、社長になろうと思ってなった方っていうのは非常に少ないと思いますよ。と思うんですけど、どうです?佐野さん。他の社長をご覧になってて。

佐野:

それは、一つ一つ与えられた任務をこなしていくという連続だと思うんですよね。自分の望むところにばかし配属はなりませんよね。配属された場所で、自分の与えられた使命はきちっと理解して、勤め上げられるか成果を出すか、ということの繰り返しだと思うんですね。

石田:

そこが評価されて大きな信頼を集められたということでしょうね。

朝岡:

その先に、自分の思わぬところから、会社の上の方とかよく見てて「はい、君社長」ということが多いような気がいたしますね。