Story ~長寿企業の知恵~ 「 決断 」
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片倉工業 株式会社
決断 ~ターニングポイント~

ナレーション

続いてのテーマは「決断 ターニングポイント」
片倉工業の発展と共に訪れた苦境、そして、それらを乗り越えるべく下した決断を、
片倉工業15代目佐野公哉が語る

石田:

続いては、決断・ターニングポイントということで、まずは会社にとっての転機、ターニングポイントを伺えますか?

佐野:

会社のターニングポイントは、終戦後に起きた事業の転換です。1938年にアメリカで発明されたナイロンの工業化ですね。これによって化学繊維が登場してきます。

朝岡:

あー化学繊維は、いわゆる化繊が入ってきてね、ずいぶんその地図が変わったっていうか。

石田:

そこをどう乗り越えてこられたんですか。

佐野:

それはですね、第二の創業期とも呼べます、経営多角化への取り組みでございます。例えば、繊維事業の中でも肌着への転換、シルクから肌着への工場転換ですとか、セーター、パンスト、ブラウス等々ですね。こういった事業への転換をしていったわけですね。
それから、不動産の開発も後にございますね。小売業へも直接、ホームセンター事業にも入ってきました。それまで製糸工場一辺倒だったところがそれだけ生産が減っていくわけですから、時代に合った形で展開していかなければならなかったということですね。

朝岡:

もうまさに進取の、新しいのを取り入れることがどうしようもない…そうしなきゃ生きていけないっていう

佐野:

その通りです。

朝岡:

そういうことになっちゃったんですね。それが一つ、多角化の大きな理由ということでよろしいんでしょうかね。

佐野:

そうですね。家憲にもあります通り、進取果敢な精神があったことだと思います。一見バラバラな事業に進出しているように見えますが、原点はシルクの工場でありまして、その時代その時代に合わせた事業に進出していくことが、片倉の今まで生きてきた長寿企業のDNAと思っております。

石田:

一方で社長にとってのターニングポイントはございますか。

佐野:

私にとりましては、現在スタートいたしました、新中期経営計画「カタクラ2021」の発表であります。かつては、片倉工業は前例主義の経営でありました。そこから脱却してですね、これまでの方針を受けつつ構造改革、重点戦略分野を定めた計画を立案していくことで、当社以外のグループ会社の中堅層も計画に、立案に巻き込んでですね、将来ありたい姿を議論して、5年間の計画へ落とし込んでいったものであります。

朝岡:

この新中期経営計画「カタクラ2021」というのは具体的には説明してもらうとどういったものなんですか。

佐野:

到達目標は、愛される200年企業の礎ができていることとしておりますが、既存事業の成長と構造改革をベースに重点戦略分野であります「介護福祉・健康」、「アグリ・環境」、「防災・安全」、「高付加価値素材」、「さいたま新都心エリア」での新事業。この5つの分野にですね、各セグメントの経営使命を持ち寄りまして、他社との業務提携やM&Aを積極的に活用しながらグループの柱となる事業を創出して目指していくということでございます。

朝岡:

やっぱり社長、佐野さんが入社なさった当時とは、いわゆる繊維業界というのは環境というのは激変していると見ているわけですよね。

佐野:

そうです。

朝岡:

それを踏まえてこれからの片倉をこうするというのが今の計画。

佐野:

そうですね、繊維産業自体が、国内から韓国へ中国へ、ASEANへというふうに生産基地が移ってきましたので、そういった点では国内の繊維産業はだんだん変化をしてこざるをえなかったということですね

石田:

時代の波に乗ると言いますか、対応する上で心がけていることはどういったことがございますでしょう。

佐野:

前例主義ですね。私たちは、どうしても長く同じ仕事をしてきた会社としまして、前例主義の部分がありますので、承継していかなければいけないもの、変えていかなければいけないもの、捨てなければいけないもの。こういったものをですね、見分けて、切り分けていくということ。これが常に心がけていることですね。