Story ~長寿企業の知恵~ 「 創業の精神 」
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ホットマン 株式会社
オープニング・創業の精神 ~家訓や理念誕生の経緯~

ナレーション

今回のゲストは、「ホットマン株式会社」、7代目代表、坂本将之。
1868年、絹織物製造業として創業し、1963年からタオルの製造を開始。

全ての製造工程から販売までを自社で行うことが出来る、日本で唯一のタオル会社として100年以上にわたり画期的かつ人々の生活に寄り添った製品を世に送り出してきた。

今回はそんな「ホットマン」の7代目、坂本将之の言葉から製造から販売まで一貫して行える理由と、そこに隠された知恵、先代から受け継がれていた、理念や想いの裏に隠された物語に迫る!

石田:

今回のゲストは、ホットマン株式会社 代表取締役社長 坂本将之さんです。
よろしくお願い致します。

坂本:

よろしくお願い致します。

朝岡:

ホットマンと言えばですね、もう何かタオルとか好きな人にとったら、代名詞みたいなところですけども。

石田:

えぇ、そうですねー。

朝岡:

あの、色んなタオルを扱っていらっしゃるんですか?事業の内容を改めて教えて頂けますか?

坂本:

そうですね。やはりタオル。と、そのタオルの生地を使ったタオル製品。
例えば、バスローブであったりとかですね、パジャマであったり。そういったものの製造から販売までをやってる会社です。

石田:

坂本様は、今何代目でいらっしゃるんですか?

坂本:

私で7代目です。

石田:

はぁー、7代目でいらっしゃる。

朝岡:

だけど、青年社長ですよね!

石田:

お若くていらっしゃって。

朝岡:

失礼ですけど、おいくつですか?

坂本:

今40歳ですね。

朝岡:

やっぱり青年社長だ!ねー!
ホットマンさんのまぁ強みというか、まぁもう強みはタオルだとは思うんですけども、ちょっと具体的に色々伺って参りたいと思いますけども

坂本:

そうですね、あのタオルを作ってるのは勿論そうなんですけども、タオルの業界というのはですね、基本的に分業制なんですね。例えば、折る会社があって、染める会社があって、縫う会社があってと。何社も渡り歩いて商品が出来てくるというのが普通なんです。
それに対して我々ホットマンはですね、全ての工程を自社で出来るようにしてます。これは非常に珍しい仕組みなんですね。全ての工程に係わることで、高い品質を追求するということと、あとは責任を持つということで、自社に取り込んでいきまして、自分達で製造を一貫して出来ると。
さらに、販売ですね。我々直営店を持っておりまして、商品と共に想いまで届けたいということで、製造全てと販売まで全て自社で出来るという、日本で唯一のタオル会社というのが非常に大きな特徴だと思います。

朝岡:

メーカーさんは、だいたい作るところと売るところ。大きく分かれてるってよくありますからね。そこを全部このタオル一つでやっていらっしゃるって、なかなかね!知らなかったなー!

石田:

そして、そのホットマンさんのタオル、こちらにご用意頂きました。ご説明頂けますか?

坂本:

そうですね、今一番売り出してるというか、あれですけど、評価頂いてるのが、1秒タオルというタオルをやらせてもらってまして、簡単に言うとですね、このタオルの生地を1cm画に切り出します。もうほんとにハサミで切るだけでいいんですけれども。それを、水の溜まった上に落とします。で、それがどれくらいで沈み始めるかというのを、吸水性を調べる試験があるんです。
これ、JIS企画で決まったちゃんとした試験なんですけども、その我々の1秒タオルは落とした瞬間1秒以内に沈み始めるということで、非常に高い吸水性を持っているというのが一番大きな特徴ですね。

朝岡:

そうなんですかー。これが1秒タオル?

坂本:

そうですね。全てこちら1秒タオルの種類ですね。

朝岡:

1秒タオル!へー

坂本:

これもですね。その薬品で、例えば水を吸わせる薬品というのもあるんですね、そういったものは一切使わないと。もう徹底的に洗いこんで、丁寧に丁寧に時間を掛けてこういった吸水性の高さを実現してますので。
例えば、赤ちゃんですとか、アトピーの方、お肌の弱い方にも安心して使って頂けますし、女性の髪とかですね、皮膚、お肌ですね、これを美しく保つのにもこの吸水が良いタオルというのは非常に有効なんです

石田:

へぇー!

朝岡:

ほら、よく安いタオルだと、おろしたてだと全然手が拭けないってことあるでしょ!

石田:

ありますあります(笑)

朝岡:

だから、洗濯機で洗わないとだめ!みたいな。ないのね?

坂本:

ないです、ないです。

石田:

へぇーーーーーー!私も、赤ちゃんがいるんですけれども、安心してもぅお風呂上がりにでも拭けるってことですね。

坂本:

そうですね。我々、そういった薬剤に頼らない作り方というのを昔からやっておりまして、例えば、タオルは柔らかい方が売れるんですね、変な話ですけども。柔らかくするにはどうするかっていうと、一番手っ取り早いのは柔軟剤をたっぷりつけてお店に並べると。ただ、柔軟剤っていうのは決して悪いものではないんですけれども、やはり、お肌の弱い方には刺激があって反応されたりですね、あと、糸をコーティングすることで、吸水性が悪くなる可能性があるんですね。我々はそういったものは一切使わないので、触ってもらうとちょっと最初、そんなに柔らかくないね。と言われることもあるんですけども、

朝岡:

あ、ほんとだー(触る)

坂本:

実は、洗う度に、ふんわりしていく特別な作り方をしています。

朝岡:

ちょっとほらー(石田にタオルを渡す)

石田:

あっ、ほんとですね!思ったよりは…はい、もっとふわふわ…

朝岡:

ね!もっとツルンツルンの柔らかさかと思った、割と強面っていうかゴワっとしてるんだね、あらまー

坂本:

でも、実は洗っていくとどんどん柔らかくなっていくという不思議な作り方ですね。

石田:

へぇー。

朝岡:

いやいやいやいや、そういうことなんだねー

石田:

ねー!そうですか。

朝岡:

不思議なタオルですよ。

石田:

その他にもですね、オススメの商品というのは、どういったものがございますか?

坂本:

そうですね、やはりそういった作り方をしてますので、ベビー用の商品ですね。赤ちゃんのお肌にも優しいですし、特にこういうベビー商品には、柔らかい糸なんかも使ってですね、肌へのストレスを無くすような作り方をしていたり。
こちら、同じ1秒タオルの種類なんですけど、『青梅縞 OUMEJIMA&TOKYO』という東京都が推進している取り組みの一つで、我々もですね、この東京で作り続けているという会社ですので、それに賛同して、東京にもですね、こういうものづくりがまだ残ってるんだよ、と。繊維産業があるんだよ、と。知って頂く為に、こちらも取り組ませて頂いてるというタオルですね。

石田:

タオルのプロでいらっしゃいますけども、もう随分色んなタオルをもう使いまくってこられたんですか?

坂本:

そうですね。もともと私も入社してから、製造畑に長くいたもんですから、タオルを折るところ染めるところ、色々経験してきました。で、その中でやはり、他社さんも含めて、使わないとわからないんですよね。雰囲気でお答えしたりするわけにはいきませんので。徹底的に使い続けてきました。
例えば、お風呂上がりに1枚使って、もう一度身体を濡らしてまたもう1枚使って。もう一度身体を濡らしてもう1枚使う。とかですね。一日に3枚4枚とバスタオルを使ったこともありますね。

朝岡:

日々実験ですね。

坂本:

そうですね。

朝岡:

会社にいなくてもさ!

坂本:

そうですね(笑)

石田:

タオルマイスターですね。

坂本:

そうですね(笑)

朝岡:

でもこの改めてタオルってものを考えてみると、やっぱり歴史的には西洋から来たのかなと思うし、そうとう長い歴史があるんじゃないかと思うんですけどね、これどうなんですか?

坂本:

そうですね、タオルを広い意味で言いますと、水を吸い取る布と定義されてるんですね。
この一般的にタオルと言ってイメージできるこの糸のループが表面にあるものだけではなくて、水を吸い取ればタオルと広い意味では言われます。
そういった意味では、石器時代の遺跡からですね、木の皮とか麻の繊維を使った布が出てますので、それが起源とも言われてますし、実際にこう目にする機会の多い糸のループがあるものですと、17世紀頃ですね、トルコのハーレムで女性がこう手で糸で入れていく工芸品から始まってまして、工業化されたのが1851年頃、イギリスで工業化されたと言われています。

朝岡:

しかし、あれですね。坂本社長は、タオル博士みたいな!どういう種類から歴史からもう全部わかっちゃってるんですね!

坂本:

大好きですね(笑)

朝岡:

好きなんだ、やっぱりね!仕事ってのは、好きなんですよ!

石田:

だからこそ!ね!

朝岡:

ねー!なんかもっと聞きたくなっちゃうね!

石田:

どれが合いますか?とかね、相談したいですね(笑)

ナレーション

ここからは、各テーマを基に、7代目社長・坂本将之の言葉から、
ホットマンが持つ長寿企業の知恵に迫る!

最初のテーマは「創業の精神」
創業者の想いを紐解き、現在に至るまでの経緯。数々のタオル製品が誕生した、裏に隠された物語に迫る!

石田:

改めて、創業から現在に至るまでの歴史・経緯を伺えますか?

坂本:

はい。我々はですね、東京都青梅市に明治元年に絹織物製造業として創業しました。
この青梅という場所はですね、古くは鎌倉時代以前から織物の里だったと言われている場所でして、非常に古い織物の、繊維産業の歴史があるわけですね。で、我々も江戸時代には農業をやりながら、その傍らといいますか、副業として繊維産業、機織りをやっていたということなんですけども、明治元年の3年にですね、繊維産業に専業化したという記録が「定本市史・青梅」という青梅の歴史の本に載っておりまして、今年で150年目を迎えているという感じです。

石田:

うわぁー

朝岡:

織物をやってましたけど、そのタオルというものを作り始めたのはいつ頃なんですか?

坂本:

タオルを始めたのが、昭和38年からなんですね。

朝岡:

割と近いですね!

坂本:

そうですね、50数年になりますね。
もともとその青梅はですね、青梅縞という着物の生地が大流行した場所なんですね。江戸時代には、縞々の縞模様の着物生地なんですけども、これが大流行しました。
そのあと着物文化が廃れていく中で、夜具地呼ばれるお布団や座布団の側地を生産する場所に変わっていったんですね。全国の夜具地の65%くらいを青梅でもってたという時代もありました。
そこから、夜具地も西洋の文化、シーツとかが入ってくる中で廃れていきまして、服地、洋服の生地なんかに進んでいったわけです。
昭和38年の少し前になるんですけれど、当時はですね、織る機械を織機というんですが、この織機の台数から何から全て国が管理してましてですね、で、タオルがこうだんだん広がってきたと。増大するぞということになりまして、その時に我々も手を挙げてですね、これからタオルは広がっていくはずだと、事業の柱にしていこうということで、タオルに取り組んで、実際にまぁ生産を初めたのは昭和38年ということになりますね。

石田:

そして、直営店を持たれることになるんですけれども、最初のお店はいつ頃できたんですか?

坂本:

最初がですね、昭和47年に、六本木に路面店をオープンしたのが1号店になります。タオルを初めて9年目ですね。
自分達で、こう商品だけでなく、その作り手の想いまで届けていきたいということで直営店を持ったのが昭和47年になりますね。

石田:

そこからどんどん拡大されて、今は?

坂本:

そうですね、今は74店舗。全国に、九州から北海道までお店を持っています。

石田:

よくデパートで見かけますよね?

坂本:

ありがとうございます。

石田:

ホットマンさんというお名前ですけれども、熱い男ですか?そのまま…

一同:

朝岡:

ホットマンっていうとね、何かお湯と温泉を思っちゃうんだよね(笑)ホットマンってどういうあれですか?

坂本:

そうですね、タオル、例えばかけた時非常にぬくもりのあるものですよね。そのタオルの持つぬくもりと、あと、作り手。作り手の熱い想い。それから、販売員のあたたかい心。こういったのをホットに込めまして、まぁそういったものを持っている人々ということで、ホットマンと名付けました。

朝岡:

そうですか。ちなみにホットマンの前は、150年の歴史がありますけど、どういうお名前の会社だったんですか?

坂本:

株式会社化したのはですね、昭和26年になるんですけれども、その時の会社名は、梅花紡織株式会社と言いました。

朝岡:

梅花紡織?

坂本:

梅花紡織。梅花は、梅の花ですね。紡織は、紡ぐに織ると書いて、織物を織る会社ということですね。
「青梅」も正に青い梅と入ってますけど、歴史的にも、その梅に係わる伝説が非常に多くてですね、我々の創業者も非常に梅を愛した方でしたので、そこから、梅花、梅の花をとって、紡織、織物をする株式会社と。

石田:

そんなホットマンさんの家訓や理念を伺えますでしょうか?

坂本:

はい。我々の社是として置いているのが、「創造」というこの二文字ですね。

朝岡:

これは、どういうところから生まれている社是なんですか?

坂本:

はい、やはりですね、その青梅の歴史を見ても、青梅縞から夜具地に移り服地に移りと、先を見越して生産品目を変えていく中で、生き残ってきたというところがあると思うんですね。
で、その中で我々の創業者がやはり先を見通す力と、常に新しいものに革新していく力が絶対に必要だというところから、この「創造」という言葉を社是にしていますね。

朝岡:

ほうほうほう。この社是っていうのは、それだけあってもしょうがなくて、社員の方がね、それをこういかに自分の中に取り込んでいくかっていうのがポイントだと思います。
このあたりはどんな工夫をされているんですか?

坂本:

そうですね。やはり、これは一番難しい部分でもありまして、長い歴史、特にタオルを初めてもう50数年になってくると、なかなかこう今までの殻を破れなかったりしますので、とにかく、常にこの「創造」というのを発信するような形でですね、例えば社報のタイトルも「創造」というものにしてますし、口をすっぱくしてと言うとあれですけど、常に発信をしていって、誰に聞いてもすぐに答えられるほうな形には取り組んでますね。

石田:

そして、ホットマンさん。
来年3月で150周年を迎えられるということで、おめでとうございます。

坂本:

ありがとうございます。

石田:

何かイベントなどは予定されてるんですか?

坂本:

そうですね、今プロジェクトチームを作りまして、20代30代の若手でですね、これから先の自分達の未来に向かって、どういったことをしていくか考えてもらってます。
で、その中で、社内と社外と両面あると思うんですけども、社内に対しては、改めて我々の歴史であり想いであり、創造の精神でありというのもしっかり認識できる場にしていこうと。
社外に対しては、やはりお客様に感謝を現せるイベントにしていこうということで、今色々と組み上げてているところですね。

朝岡:

150年ていうと、ちょうど明治維新だから、

坂本:

そうですね!

朝岡:

ね!まぁわかりやすいですよ、ちょうど150年。
明治維新と共に、日本の近代と一緒に始まったみたいな会社だから!